2016/09/16
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
昭和の人は強かった・・誰も助けてくれない緊急時には自分を信じることも必要
ところで、最後に、この驚きの写真も見ていただきたいのです。
昭和40年代に最も人気があったといわれる育児雑誌「Baby age」の昭和48(1973)年1月号(婦人生活社刊)からの引用です。指導は東京消防庁。「火事 赤ちゃんとどう逃げる?」の特集です。
東京消防庁さん、今は絶対こんな指導されないと思います。そして、読者モデルさんにこんな危ないことさせる雑誌もないと思います(笑)当時は、みなさん、身体能力もあり、自分で解決しようとする力がすごかったということでしょうか?




いや〜。ワイルドな世界ですね。これが、昭和48年に標準だったのが驚きです。もちろん現在ではやるべきではない事ばかりです。赤ちゃんを上から落とした際、ふとんからずれたら?なんて考えるだけで怖いですね。指導した側も損害賠償責任を問われそうです。だけど、救急車が今のようにすぐ来るわけではないから、なんとか自分たちで助かろうと当時は必死だった、そういうことかなと思います。
現代に暮らす私たちも、大災害の時は、救急車も消防車も来ないことが想定されます。頼れる人は誰もおらず、危険を覚悟で自分で判断し、行動するしかない場面も、本当はでてくるはずです。
ちなみに最近のアンケートでは災害時に一緒だったら頼りになる有名人の結果がでていましたね(笑)
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2017

話題としては面白いけど、いざという時、人に頼るという発想が現代人なのかもしれません。
私も、防災の活動をしているというと、「今、災害が起こったら、一緒にいるから安心」と言われたことがありますが、「安心しないで〜」と強く思いました。だって、頼りっきりの人を助けたりするのって本当に大変なんですよ。
昭和48年当時の親たちのように、いざという時、他人に頼るのではなく、それぞれが自分を信じて判断し、行動できる、そんな人が増えるといいなと思っています。
(了)
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/01
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
-
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方