鍛えなくてもできる、緊急時のアウトドアテックニック!

親指ロックその1 

窓やドアの上部の枠の部分に手をかけて、懸垂のように登れたら、脱出できる。そんな場面を想像してみてください。手をかけました。さて、そこから、体を引き寄せ懸垂のように力をだせますか?一瞬だけでも力がだせたらいいのですが、そのままでは自分の体重の重みで指が痛くなるばかり・・ですよね。

でも、下のイラストのように、親指を他の指の外側から押さえるようにしてみてください。人差し指や中指の第一関節の上に親指が乗る感じです。親指以外の指が力尽きて上にはねあがっていく力を親指が重力と体重の力を得て、押さえつけることができます。そうすると、瞬間、懸垂する力がだせます。

親指ロックその2

もうひとつのものは、つかもうとする面に対し、できるだけ垂直に親指以外の4本の指を立てます。その4本の指の外側に親指を置きます。立てるので、重力と体重を面で受けずにすみます。やはり指がパーに開いてしまわないように、親指でおさえます。親指でロックする方法です。これも、実は職場でもできますが、でもちょっと・・懸垂なんかすると、かなり怪しい人になっちゃうので、こっそりどこかで練習してからがいいかも(笑)

親指ロック。こっそりどこかで練習してもいいかも。(イラスト:松井 大)

 

コウモリの術

何かにぶらさがったまま救助を待つとします。そんな時、少しでも肘が曲がっているとすぐ手が疲れます。肘はまっすぐ伸ばすか、コウモリみたいにしっかり縮めて折り曲げて体に密着させてください。まっすぐ伸ばす方が楽というのは、イメージとしてわかりやすいかと思います。でも、縮めた状態が楽というのも、感じてみてください。余計な重力がかかりにくくなりますから縮めても辛くないのです。

コウモリの術!(イラスト:松井 大)

 

 

こんなふうにクライミングって、マッチョな人が腕の筋肉で登るものではなく、ちょっとした重力の逃し方だったり、足の置き場だったり、体のバランスや摩擦を利用して、筋肉をつかわなくても疲れず登れる技がたくさんあります。お近くのクライミングジムを探して、一度経験していただければと思います♪

 

防災セットにロープが入っていても、実践的に使える人ってどれだけいるのでしょうか?楽しみながら体験してほしいと思います。