2016/10/17
防災・危機管理ニュース
一般社団法人防災事業経済協議会(代表理事会長:東京大学生産技術研究所教授/目黒公郎氏)は10月12日、地震による家具転倒防止の啓もうと理解促進を図るための簡易起震実験装置「てんとう虫」を開発したと発表した。
同法人はRC77(東京大学生産技術研究所目黒公郎研究室防災ビジネス市場の体型化に関する研究会)におけるこれまでの活動成果として発足したもので、「てんとう虫」の販売元となり全国の自治体やマンション管理団体などに普及させることで、防災ビジネスの促進と発展を狙う。
販売価格は2台1組、啓蒙用DVDが1セットで54万円(税別)。10月1日から注文を受け付けている。
「てんとう虫」は、昨年12月に開催された「防才アイデアコンテスト」(主催:RC77)における受賞作品。その後、目黒氏を開発指導者として改良を重ね、商品化を実現した。「てんとう虫」の名称は「転倒シミュレーター」をもじったものだ。
商品本体は、標準的な室内を1/2相当で再現した高さ1285mm、縦900mm、奥行き400mmの木製のキャビネットに、家具に見立てた棚を2つ設置。背面に取手がついており、人力で本体を揺らすことで振動加速度を与え、地震によって家具がどのように転倒するかをシミュレーションする。スマートホンの振動アプリを本体に固定することで、震度を測定することも可能だ。
「てんとう虫」では、①家具に転倒防止対策を施さなかった場合と、各種方法で転倒防止対策を施した場合の転倒比較②天井材の違いによる転倒比較③床材の違いによる転倒比較④重量・重心位置の違いによる転倒比較などの実験を行うことができる。
例えば、転倒防止用の「つっぱり棒」で天井と家具を固定する家具転倒防止方法では、天井の素材そのものが柔らかく、地震でゆがんでしまった場合には機能しないことがある。その場合は、天井部分に固い合板などを一枚かませることで、転倒防止効果が上がるという。「てんとう虫」は天井材や床材を変えることができるため、家の状況に合わせてさまざまな状況をシミュレーションできる。
目黒氏は「近年発生した地震による負傷者の3割~5割は家具の転倒や落下によるもの。さらに現在、首都圏で中高層住宅に住む、あるいは中高層オフィスで働く人は400万人以上と言われている。通常、地震を再現するための機械は非常に高価なものだが、『てんとう虫』であればリーズナブルな価格で購入でき、自分たちでさまざまな転倒防止実験をすることが可能だ」と話している。
(了)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/02/17
-
-
-
-
-
今年の夏は大規模停電のリスク大?
今年の夏、東京電力管内を中心に電力不足が懸念されています。需要に対する供給力の余裕を示す「予備率」が1パーセントを切る見通しで、もしそこで突発的な発電所の事故や故障が起きれば予備率はさらに低下、マイナスに陥りかねません。大規模停電のリスクについて、東京電機大学名誉教授の加藤政一氏に聞きました。
2026/02/12
-
-
-
海外危機管理マニュアルの作成が急務
海外に社員を送り出す企業にとって、緊急事態が発生した際の対応体制は必須。どんなに現地に慣れたベテランでも、自分の身を守り切れない事態は起き得ます。ましてや現在は安全保障上の国家対立が深まり、東アジアの緊張も高まっている時代。海外危機管理サービスを手がける安全サポートの有坂錬成代表取締役に、海外進出企業が取り組むべき対策を聞きました。
2026/02/05








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方