2019/11/27
防災・危機管理ニュース

東京都は27日、ロボットによる警備や案内の実証実験を大田区の羽田空港第1旅客ターミナルで実施した。セコムが2種類、ALSOKとテイケイが1種類ずつの計4種類のロボットが公開された。セコムは「バーチャル警備システム」を披露。等身大のバーチャル警備員が、立入禁止区域に入ろうとする人物を注意する実験を行った。

「バーチャル警備システム」では大型画面に警備員の動画が映し出される。カメラやセンサーが搭載され、人工知能(AI)も利用。警備員の目が画面の一番手前にいる人物の顔に照準を当て、動きを捉えるようになっている。今回の実証実験では外部から進入禁止のターミナルの到着出口に置かれ、ここに進入しようとすると、敬礼し警告のアナウンスを行った。防災センターなどへの通報も可能となっている。公共の場での実証実験は今回が初めて。セコム本社に普段から置かれており、人の呼び出しといった受付機能をこなし、会話もできるという。今回の実験では女性の絵だが、男性に代えることも可能。セコムでは来春の発売を目指しており、人間の警備員の半分のコストで利用可能とする計画としている。

セコムは他にも施設内を自律走行し、全方位カメラの他、アームには熱センサーも搭載した「セコムロボットX2」も披露。ごみ箱などの死角の多いところもアームを伸ばして調べることができる。ALSOKのロボット「REBORG-Z(リボーグゼット)」も自律走行型。AIやセンサーを搭載し、ロビーのソファの下に不審物がないか調べる実験を行った。不審物を見つけると防災センターへの通報が行われる。テイケイの「デジタル警備員」は大型タッチパネルで、施設内の案内機能の他、防犯カメラやAIを搭載。簡単な応答以外に、インターホンで警備員と通話することもできる。
東京都では2020年東京オリンピック・パラリンピックへ向け「Tokyo Robot Collection(東京ロボットコレクション)」と題したプロジェクトを今年度から実施。大会組織委員会とも連携し、大会時のロボット活用を進め、世界へのアピールの他、人手不足やインバウンド増大などによる課題解決につなげていくことを目指す。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
- keyword
- ロボット
- 警備
- 案内
- Tokyo Robot Collection
- ロボコレ
- 東京オリンピック・パラリンピック
- 東京五輪
- 羽田空港
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/01
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
-
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方