猛暑×停電×就業時間が重なったとき
限られた時間と情報の中で何を基準に判断するかを考える

八重澤 晴信
医療機器製造メーカーで39年の実務経験を持つ危機管理のプロフェッショナル。光学機器の製造から品質管理、開発技術を経て内部統制危機管理まで経営と現場の「翻訳者」として活躍。防災士として国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンDRR分科会幹事も務める。
2025/07/28
あなたの会社の危機対応力を鍛える新しいアプローチ
八重澤 晴信
医療機器製造メーカーで39年の実務経験を持つ危機管理のプロフェッショナル。光学機器の製造から品質管理、開発技術を経て内部統制危機管理まで経営と現場の「翻訳者」として活躍。防災士として国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンDRR分科会幹事も務める。
これまで「忍び寄る親の介護リスク」(全6回)、「現場実務者が失敗と成功から紡いだ本物の危機対応訓練」(全4回)の連載を通じて、多くの読者の皆様から反響をいただきました。編集部からは「読者勉強会で八重澤さんの記事が話題になった」との報告もいただき、大変嬉しく思っています。今回から始まる新しい連載は、これまでの経験を踏まえ、さらに実践的なアプローチを目指します。それが「旬ニュース×実践訓練シリーズ」です。
■なぜ「旬ニュース」なのか?
危機管理の現場では、教科書通りの災害は起こりません。現実に起こるのは、複数の要因が重なった複合災害です。そして、それは意外にも私たちの身近なニュースの延長線上で発生することが多いのです。
そこで、旬のニュースをもとに、「明日にも起こりうる」リアルなシナリオをつくり、皆様にタイムリーにお届けします。すぐに社内で実践できる訓練を毎回紹介させていただきます。
■この連載で得られるもの
・すぐに使える訓練シナリオ:実際の社内研修でそのまま活用可能
・思考プロセスの習得:正解を覚えるのではなく、判断力を鍛える
・組織力の向上:個人ではなく、チーム・組織としての対応力
・継続的な改善:一度きりではなく、段階的にレベルアップ
■今後の展開について
この連載は「旬ニュース」をベースとするため、その時々の社会情勢に応じてテーマを決定いたします。
例えば:
・台風シーズンには「大雨×交通麻痺×重要会議当日」
・サイバー攻撃のニュースが続けば「ランサムウェア×リモートワーク×顧客情報」
・地震発生後なら「余震×高層ビル×外国人来客対応」
・感染症流行時には「パンデミック×人手不足×年度末繁忙期」
各回とも、実際の企業研修で使用できる訓練資料(PDF)も併せて提供いたします(最終ページからダウンロード可能)。この連載記事を読むだけでなく、是非あなた自身が、あるいは仲間も一緒にシナリオに基づく訓練を体験してみてください。
それでは、記念すべき第1回目を始めましょう。
もし皆さんの会社が就業時間中に長時間停電に見舞われたら、どのような対応を取られるでしょうか。単なる停電ではありません。猛暑の中、空調が停止し、エレベーターが動かず、インターネットも使えない状況で、数百人の従業員と来客の安全を確保しながら事業を継続する—。これは決して「想定外」ではなく、現実に起こりうる状況かもしれません。
【前提条件】 追加で発生する課題 |
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