2019/11/29
台風19号関連風水害対策特集

労使も交えた実務者会議
東京都は29日、35項目にわたる風水害対策をまとめた。台風15号・19号・21号における防災対策を検証。初動体制の整備として計画運休時の出勤のあり方について、企業や労働組合の関係者も交えた実務者会議を開き、方向性を示しルール化を目指す。
都内では台風15号では島しょ部を中心に、19号では多摩川沿いを中心に浸水などの被害が出た。都では大規模風水害検証会議を開催。さらには区市町村からのヒアリングや自衛隊など関係機関からも意見を聞いた他、都民向けのインターネットアンケートも実施。834人から回答を得た。
初動体制の整備や防災広報、避難対策など7つの視点から35の対策をまとめた。うち11は今年度補正予算や2020年度予算編成で対応中。新たに取り組むべきものが24となった。新たに取り組むべきものとして、初動体制の整備の視点から、鉄道など公共交通機関の計画運休時の対応を進める。都では台風19号の接近前から応急対策本部を設置し、計画運休に関する情報発信や出勤抑制の呼びかけも行ったが、浸透は不十分と判断。都以外に企業や労働組合の関係者も含めた実務者会議を今後立ち上げ、計画運休時の出勤のあり方についてのルール化を目指す。同じく初動として、被災が見込まれる場合は全区市町村に対し都から連絡要員(リエゾン)を派遣しておく。
広域避難のあり方については、現在国と都の他、江東5区(足立区・江東区・江戸川区・葛飾区・墨田区)も交えた広域避難検討会も開催しているが、新たに都と江東5区を中心とした関係区市によるワーキンググループを立ち上げて課題と方向性を検討。国との検討会にフィードバックを図る。
台風19号関連風水害対策特集の他の記事
- 都、計画運休時の出勤でルール作り
- 江戸川区、広域避難回避の背景と今後
- ボランティア7.2万人、地域偏在も
- 被災地・長野で住宅再建へ動く企業
- 台風19号の大惨事に思う「常に備えよ!」
おすすめ記事
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/06/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方