2017/01/26
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
火災の時は風向きに注意!いつも同じ避難所に行けばいいとは限りません!・・とはいえ東西南北が分からない?
もし、自宅よりも木造住宅密集地域が北にあったら、「北風」もしくは「南向きの風」のときに地震がおこると、風下になってしまいます。
この時逃げる方角は、北は火元なので選べません。火事の速さは通常は歩いて逃げられる程度ではありますが、風が強さや飛び火の状況にも左右されます。ですので、風下の南ではない方がよいですよね。風に対して90度の角度にあるような避難場所はどこかを事前にチェックしておく必要があります。
つまり、避難場所は当日の風向きによっていくつか候補を検討することが必要で、「近所の小学校や中学校に行けばいつも安全」というわけではありませんからね♪
しかも、地震の時の火災は同時多発で起こります。ある火元から避けようとすると、別の火元に向かってしまうこということもあります。ブロック塀や倒壊家屋、電信柱の倒壊で逃げ道が使えないかもしれません。
実際に火事が起こってしまってからの避難は本当に大変です。だからこそ、事前の「火事を出さない備え」が重要です。
でも、そうは言っても火事からの避難が必要になった場合、多くの人に致命的な弱点があることがわかりました!みなさんは大丈夫ですか?
それは、方角がわからない人が多いという弱点です。都会の人、分かりますか?
静岡で講演をすると、100%みなさん方角を熟知しています。富士山があるからっておっしゃいます。
京都の方も完璧です。住所は上ル(北方向)下ル(南方向)、東入ル、西入ルになっているし、「まるたけえびすに〜」って通りの名前は歌になっているし、地名がわかれば現在地が座標軸でわかりますからね。
都市部ほど、「わからない」の解答率が高い気がしますけど、どうでしょう?
しかも、今時の子どもたちは生まれた時から、カーナビやスマホナビが当たり前。「50m先、右方向です」・・って、東西南北なんて、日常生活に全く出てこないんですよ!
小学校3年生になると、方位磁石について学ぶのですが、その時初めて東西南北という言葉を聞いたってお子さんも多いと先生方からお聞きしています。どなたか統計とってほしいと思うくらいです。
親子でしつこく、今日は北風!なんて会話しておかないと、3年生のテストで一瞬、覚えただけでは方角は身につかないかもしれませんね。
方位磁石って、地図を持っていなくても、目的地にたどり着けるアウトドアでは必須のすごいツールですが、自然から離れた生活では重要性が認識されにくいかもしれません。
防災グッズとして、絶対持っておけとまでは言わないけれど、おしゃれな方位磁石もあるので、ちょっとカバンにつけてみることは提案しています。

初めて行く講演先が公民館や小学校だと、入りくんだ住宅地にあることが多いです。そんな時、駅から大体、南へ300mとかわかると、それだけでもたどり着けます!
スマホにも方位磁石があるからそれでいいと思っている方も多いでしょうけど、レトロなものはこんな遊びもできますよ。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方