2017/02/14
防災・危機管理ニュース

アイペット損害保険は8日、犬・猫の飼育者2214人を対象に、「ペットのための防災対策に関する調査」の結果を発表した。「同行避難」を「同伴避難」と区別して正しく理解できている飼い主は6割、「同行避難」を環境省が推奨していると知っていたのは3割未満などの結果が出た。
「同行避難」は、災害時に飼い主がペットを連れて一緒に避難すること。避難所でペットと一緒に過ごせるかどうかは各自治体や避難所に委ねられている。「同伴避難」は、ペットと一緒に避難し、かつ避難所で一緒に過ごすこと。
また、最寄りの避難所を知っているが、ペットと一緒に過ごすことができるかどうか把握できていない飼い主は65%以上いて、同社は「ペットの防災対策にはまだまだ課題が残ることが浮き彫りとなる調査結果となった」としている。
「災害が起きたと時に、飼い主とペットが同行し、安全な避難所まで避難すること」という文章を提示し、「同行避難」「同伴避難」どちらに該当するか質問したところ、正解の「同行避難」を回答したのは61.6%だった。また「同行避難」を環境省が推奨していることを知っているかどうかは、73.6%が「知らない」と回答した。
「最寄りの避難所を知っているか」の問いには79.6%が「知っている」と回答。さらにその回答をした人を対象に避難所にペットを連れて避難できるか知っているかを聞いた。「知っている(連れていけるが、建物の中に一緒に入ることができるかはわからない)」と「知らない」の回答を合わせて65.8%が、ペットと避難場所で一緒に過ごせるかどうかわからないという結果だった。
ペットのための防災対策は56.9%が「している」と回答。その内容は犬飼育者は「『待て』や『おすわり』など、基本的なしつけができている」が43.4%だったが、猫飼育者は「特に対策をしていない」が59.8%。ペット用の「防災グッズ(食料品・用品等)をそろえている」は犬が21.9%、猫が17.2%。
「ペット用の防災グッズをそろえている」と回答した500人に、どのようなものを備えているか尋ねたところ、犬猫飼育者ともに「フード(おやつを含む)、飲料水」が95.6%。環境省が定めた「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」によると、フードなどの飲食料は少なくとも5日分、できれば7日分用意することが望まれている。
(了)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方