避難所でペットと一緒に過ごせるかどうかは、各自治体や避難所に委ねられている

アイペット損害保険は8日、犬・猫の飼育者2214人を対象に、「ペットのための防災対策に関する調査」の結果を発表した。「同行避難」を「同伴避難」と区別して正しく理解できている飼い主は6割、「同行避難」を環境省が推奨していると知っていたのは3割未満などの結果が出た。

「同行避難」は、災害時に飼い主がペットを連れて一緒に避難すること。避難所でペットと一緒に過ごせるかどうかは各自治体や避難所に委ねられている。「同伴避難」は、ペットと一緒に避難し、かつ避難所で一緒に過ごすこと。

また、最寄りの避難所を知っているが、ペットと一緒に過ごすことができるかどうか把握できていない飼い主は65%以上いて、同社は「ペットの防災対策にはまだまだ課題が残ることが浮き彫りとなる調査結果となった」としている。

「災害が起きたと時に、飼い主とペットが同行し、安全な避難所まで避難すること」という文章を提示し、「同行避難」「同伴避難」どちらに該当するか質問したところ、正解の「同行避難」を回答したのは61.6%だった。また「同行避難」を環境省が推奨していることを知っているかどうかは、73.6%が「知らない」と回答した。

「最寄りの避難所を知っているか」の問いには79.6%が「知っている」と回答。さらにその回答をした人を対象に避難所にペットを連れて避難できるか知っているかを聞いた。「知っている(連れていけるが、建物の中に一緒に入ることができるかはわからない)」と「知らない」の回答を合わせて65.8%が、ペットと避難場所で一緒に過ごせるかどうかわからないという結果だった。

ペットのための防災対策は56.9%が「している」と回答。その内容は犬飼育者は「『待て』や『おすわり』など、基本的なしつけができている」が43.4%だったが、猫飼育者は「特に対策をしていない」が59.8%。ペット用の「防災グッズ(食料品・用品等)をそろえている」は犬が21.9%、猫が17.2%。

「ペット用の防災グッズをそろえている」と回答した500人に、どのようなものを備えているか尋ねたところ、犬猫飼育者ともに「フード(おやつを含む)、飲料水」が95.6%。環境省が定めた「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」によると、フードなどの飲食料は少なくとも5日分、できれば7日分用意することが望まれている。

(了)