2017/05/26
防災・危機管理ニュース

東京都は26日、蚊が媒介する感染症対策の発表を行った。デング熱など蚊による病気の媒介を防ぐため、都立公園を始めとする都内25施設で蚊の動向を調査するサーベイランスを実施。感染症のハイリスク地点をホームページで表示する。
サーベイランスでは2014年にデング熱感染者が発生した渋谷区の代々木公園のほか、千代田区の日比谷公園など9施設を重点サーベイランスに、港区のお台場海浜公園など16施設を広域サーベイランスに指定。重点施設は人やイベントが多い場所で、広域施設はウエストナイルウイルスなどが心配される鳥の飛来が多い場所。重点施設では4月下旬から11月上旬まで、広域施設では6月上旬から10月下旬まで調査を行う。
東京都感染情報センターのホームページにて、サーベイランスでウイルスを保有した蚊を発見した地点を地図上に表示。デング熱やジカ熱といった蚊媒介感染症の患者が出た場合には、円柱のグラフ表示で患者の累計者数も感染したと推測される施設の地図上の場所に示す。蚊媒介感染症が疑われる患者がいた場合、医療機関から保健所に報告。さらに血液検体を新宿区の東京都健康安全研究センターで検査する。医療機関向けの研修会を6月21日、千代田区の東京都医師会館で開催する。
蚊の発生防止のため都民へ水たまりの解消などを周知。6月にラッピングバス4台を都営バスで走らせるほか、駅や電車内にポスターを掲示。6月14日には渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで都民や施設管理者向けの講習会も開催する。
小池百合子知事は26日の記者会見で「6月を蚊の発生防止月間とする。自分が環境大臣時代にデング熱の北限が上がってくるかもしれないと防止策を作っていたが、代々木公園の件で実際にそういう時代に来ている」と説明。小池知事が出演する動画もPRに使われる。
■ニュースリリースはこちら
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/05/26/16.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/16
-
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/09/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方