2020/05/01
企業をむしばむリスクとその対策
□解説
新規感染者数の増減は、多くの人たちが気になるところです。ピークアウトと判断した場合には徐々に経済活動を再開していかなければ、何より企業の存続が危うくなってしまいます。しかしながら、新規感染者数の増減だけに目を奪われてしまっていては、判断を誤ってしまう可能性にも注意しなければなりません。
毎日公表されている新規感染者数とは、PCR検査を実施して「陽性」と判断された人数が公表されているのは周知のことと思いますが、問題は「どれくらいの検査を行った結果、陽性と判断されたのが何人だったのか?」と把握することではないでしょうか。例えば上記の東京都のサイトでは、「陽性患者数」「患者の属性(居住地、年代、性別)」「区市町村別の患者数」「検査人数」「検査件数」などの数字が日々公表されていますが、直近1週間の新規患者数と検査人数、検査件数は以下のようになっています。
また、以下の図は国内で感染者は確認された1月24日以降の罹患率(注:当該日の患者数÷検査件数)を示したグラフです。

これを見ると、おかしなところがあります。罹患率が100%を超える日が発生してしまうのです。検査件数より患者数が多くなることは通常考えられませんので、検査件数と患者数を日ごとに比べても意味がないことが分かります。
当日陽性になった患者数と、当日の検査件数にはどのような因果関係にあるのかが分からない状況では、単純に患者数の日々の増減だけでは「本当にピークアウトに向かっているのか」「検査数が少ない日だったから陽性と診断された人数が少なかったのか」が全く分からないのです。ではどのようにすればいいのでしょうか?
企業をむしばむリスクとその対策の他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方