2017/06/28
防災・危機管理ニュース
国土交通省は27日、社会資本整備審議会河川分科会の第54回会合を開催。日本海に面した北海道、富山県、島根県の津波浸水想定の設定や土砂災害防止対策基本指針の変更などを承認した。また石川県では最大20mの津波が想定されることが報告された。
津波浸水想定は津波防災地域づくりに関する法律に基づき設定。浸水域や浸水深を表示し、国交大臣に報告のうえ社整審河川分科会の意見を聞く必要がある。北海道は今回、稚内市から松前町にかけて日本海沿いの約1100kmが対象。日本海で地震が起こった場合、江差港は最大で6.2mの津波を予測。第1波は3分で来るという。
富山県は約150kmの沿岸。富山市に第1波が地震から1分で到達、最大5.5mの津波を予測している。島根県は隠岐諸島も含めた約1030km。松江市に6分で第1波が到来し、最大2.3mの津波が見込まれている。また5月に設定した石川県も参考として報告。対象は580kmの沿岸で、珠洲市は1分、輪島市は1分未満、原子力発電所のある志賀町は19分、金沢市は20分で第1波が到来。津波は最大で珠洲市が20.0m、輪島市が8.8m、志賀町が6.3m、金沢市が3.6mの予測。石川県は次回分科会で承認の予定。
土砂災害防止対策基本指針は6月に改正水防法が施行されたのを受けて変更。高齢者施設など要配慮者利用施設の管理者に避難確保計画作成と避難訓練実施を義務づけ。降雨状況に応じた防災行動の明確化のほか、特別警戒区域内の建築物について、人的被害が生じる可能性が高く、災害発生の可能性が高まっていることを行政による移転勧告の基本とした。移転勧告がある場合、補助金がおりるケースも今後考えられる。
また一級河川指定として北海道の奔別川の延長減1.9km、滋賀県の大津放水路2.4kmの新規指定、盛越川の延長増0.5km、徳島県の大津田川の延長増0.2kmも承認された。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
過疎高齢化地域の古い家屋の倒壊をどう防ぐか
能登半島地震の死者のほとんどは、倒壊した建物の下敷きになって命を落とした。珠洲市や輪島市の耐震化率は50%程度と、全国平均の87%に比べ極端に低い。過疎高齢化地域の耐震改修がいかに困難かを物語る。倒壊からどう命を守るのか。伝統的建築物の構造計算適合性判定に長年携わってきた実務者に、古い家の耐震化をめぐる課題を聞いた。
2024/03/28
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年3月26日配信アーカイブ】
【3月26日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:四半期ニュース振り返り
2024/03/26
-
-
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年3月19日配信アーカイブ】
【3月19日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:副業・兼業のリスク
2024/03/19
-
リスク担当者も押さえておきたいサイバーセキュリティ対策の最新動向
本勉強会では、クラウド対応のサイバーセキュリティ対策の動向を、簡単にわかりやすく具体的なソリューションの内容を交えながら解説します。2024年3月8日開催。
2024/03/18
-
発災20分で対策本部をスタートする初動体制
総合スーパーやショッピングモールなど全国各地のイオン系列の施設を中心に設備管理、警備、清掃をはじめとしたファシリティマネジメント事業を展開するイオンディライト(東京都千代田区、濵田和成社長)。元日に発生した能登半島地震では、発災から20分後にオンラインの本社災害対策本部を立ち上げ、翌2日は現地に応援部隊を派遣し、被害状況の把握と復旧活動の支援を開始しました。
2024/03/18
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方