2017/07/25
防災・危機管理ニュース

東京都は24日、今年度第1回「東京都災害医療協議会」を開催。2018~23年度を期間とする「東京都保健医療計画」の改定に向け、災害医療に関する骨子案を提示した。病院の耐震化やBCP(事業継続計画)策定の全病院への働きかけ、東京DMAT(災害医療派遣チーム)の体制強化などを盛り込む方針を示した。
現行の「第5次東京都保健医療計画」では災害拠点病院数は、2013年3月は70病院だったが、今年4月は80病院に拡大。災害拠点病院の耐震化率は82.9%から92.5%に、BCP策定率は5.7%から91.3%になった。東京DMAT隊員数は874人から2016年3月時点で1088人に増員。東京DMATの感染防護衣等の配備は、0病院だったのが現在は全指定病院の25病院に配備されている。
次期計画の第6次計画では、病院の耐震化の推進や様々な災害に対応できるBCP策定を全病院に働きかけを行う。またNBC(核・生物・化学)災害における患者受け入れ可能な病院確保へ、研修を実施する。東京DMATについては体制強化に向け、隊員確保へ引き続き養成研修や更新研修を実施。NBC災害に関する研修も実施し、特殊災害チームの体制についても検討する。また首都直下地震時に被害の大きな地域で迅速・確実に行動できる体制づくりも進めていく。医薬品の供給については卸売販売業者の車両を一定数、緊急通行車両として事前登録する。
都では災害拠点病院数や耐震化率、BCP策定率、東京DMATの隊員数などを、次期計画の具体的な数値目標として今後まとめる方針。
(了)
リスク対策.com:斯波祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/16
-
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/09/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方