2020/06/23
WITHコロナのBCP
人事、財務、情報などの業務は減らせず
こうした対策が進む一方で、事業継続への取り組みはどのような状況だったのか。人事、財務、契約、情報、広報、営業、生産の各機能について聞いたところ、「原則通常通り」と「三密避け通常通り」を足した回答が50%を上回るものもあり、なかなか業務量を減らせない現場の厳しい実態が浮かび上がった。特に財務(決算処理)、契約(取引・契約)、情報(既存インフラ・保守の実施・テレワークのサポート)については、「三密避け通常通り」が4割を超える。生産については、「非該当」が多く、受注そのものが大きく減って稼働レベルが下がっていることや、休業などが進んでいる状況がうかがえる結果となった(グラフ4)。
対策本部設置が最多
自然災害への対応と似た結果になったのは対策本部の設置だ。 調査では、組織の意思決定機能を支える対策本部会議の開催状況についても聞いたところ、対策本部会議については執行部や役員を含む対策本会議を実施しているとの回答が63.9%と突出して高くなった。他方で、依然として担当部局任せになっていたり、特に対策本部を開いていない組織も一定程度あることが分かった。
また、専門家の意見をどの程度取り入れているかも聞いたところ、国の専門家会議の意見などを参考にしているとの回答が突出して高かった。各組織とも産業医はいるはずだが、感染症対策については自社の中にほとんど専門家を入れられていない実態が浮かび上がった(グラフ5・6)。
(続く)
https://bcp.official.ec/items/30028915
WITHコロナのBCP の他の記事
- 進む感染防止策と事業継続における課題
- 進む感染防止策と事業継続における課題
- 進む感染防止策と事業継続における課題
- 感染症対応計画を作っていた組織とそうでない組織の差
- 緊急事態宣言の解除後も在宅勤務を続けますか?
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
-
民間企業の強みを発揮し3日でアプリ開発
1月7日、SAPジャパンに能登半島地震の災害支援の依頼が届いた。石川県庁が避難所の状況を把握するため、最前線で活動していた自衛隊やDMAT(災害派遣医療チーム)の持つ避難所データを統合する依頼だった。状況が切迫するなか、同社は3日でアプリケーションを開発した。
2024/04/11
-
-
組織ごとにバラバラなフォーマットを統一
1月3日、サイボウズの災害支援チームリーダーである柴田哲史氏のもとに、内閣府特命担当の自見英子大臣から連絡が入った。能登半島地震で被害を受けた石川県庁へのIT支援要請だった。同社は自衛隊が集めた孤立集落や避難所の情報を集約・整理し、効率的な物資輸送をサポートするシステムを提供。避難者を支援する介護支援者の管理にも力を貸した。
2024/04/10
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月9日配信アーカイブ】
【4月9日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:安全配慮義務
2024/04/09
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方