■上司の"言葉"が部下をレジリエントにする

では、上司が部下に対して働きかけるレジリエントな言葉とは、どのようなものなのでしょうか。次の3例で見てみましょう。

①失敗から学ばせる
・この件(失敗や問題)について、ベストを尽くすにはどうすればいい?
・この件について、あなた的にはもう解決しましたか?
・この件で学んだことは何ですか? 今後それをどう活かそうと思いますか?

②失敗から立ち直らせる
・次に君はどんなことを考えればよいだろう?
・君はいま、次のどんな目標に向かって努力しようとしているのですか?
・このぐらいの失敗ではへこたれないことを他の人に示すにはどうすればいい?

③進歩・進展が見られないとき
・今までの勢いはどこへ? もう一山越えてしまったかな?
・まだ何か不足しているものはありませんか?
・さらに先へ進むために必要なことは何だろう?

中間管理職者は「言葉」が重要(写真:写真AC)

これらは、単に上司が部下の心を傷つけないための表面的な配慮なのではありません。部下に非があるならば、時には厳しい口調で叱らなければならない。要は、必要に応じて戦略的に相手からレジリエンスを引き出すために用いることです。こうした言葉をうまく使い分けることのできる上司こそが、本当に社員のやる気を引き出すことのできる中間管理職者と言えるのではないでしょうか。