2017/10/20
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
学校にはまだまだ古くて危険なモノがたくさん・・
3時間目は家庭科の時間です。建築のお話は家庭科ですので。

29ページでは学校で地震発生直後の対応が記載されています。この教室は、そもそも、地震対策として問題があります。でも、これは東京防災のイラストに問題があるというのではありません。
この教室、ガラスは割れるは、テレビは落ちるは、蛍光灯は落ちそうだわと非構造部材といわれる部分が危険なまま放置されていますよね。
学校における非構造材の危険性と耐震化については、文部科学省が2010年から学校施設の非構造部材の耐震化ハンドブックを出して警鐘しています。現在は改訂版の平成27(2015)年版がダウンロードできます。
■学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック (改訂版)
地震による落下物や転倒物から子供たちを守るために(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/03/27/1292090_1.pdf
すでに、7年前から言われ続けているにも関わらず、残念ながら、学校の非構造部材は改善されていない所が少なくありません。
だから、東京防災のイラストは、文部科学省は指導しているのに、学校では徹底されていないという残念な実態を警告するという鋭い告発イラストになっているのです!
まず、蛍光灯から見てみましょう。

この吊り下げ型の蛍光灯は脱落しやすいのです。ですので、文部科学省のハンドブックでは、ネジをしっかり止めることが記載されています。

でも、ネジ止めの点検の頻度をあげることは、今の学校事務からはかなり難しい事が予想されます。ですので買い替えの際に、より安全な蛍光灯に変更していくということも検討されていればよいのですが、残念ながら、せっかく新しくしたけど、そのままこの形状の前例を踏襲しているケースも多いのです。

ガラスを使わないものや、より明るい安全な蛍光灯もあるので、変更していけるといいですね!
次はテレビを見てみましょう。いまどき、こんなブラウン管のテレビあるの?というつっこみを私が入れると予想された方もいるかもしれません。でも、残念でした。学校には未だに、ブラウン菅型テレビがあるのです。もっとも安全であるべき、こどもの居場所でもあり、避難所にもなる学校が結構危険なままなのです。そちらにもう少し、お金がまわったらいいのになと思うのですが・・・

ブラウン管テレビはまだ学校にあり、東京防災のイラストどおり、地震で落下しています。

文部科学省は原状のままでの対策の仕方を書いていますが、子を持つ親としては、まだブラウン管テレビを使ってそしてわざわざ上に吊り下げるのは止めてほしいというのが正直な感想です。
タブレット学習している学校がある一方で、いまだにブラウン管でいいのでしょうか?
予算がある学校では、ブラウン管ではなく、当然、薄型テレビになっています。ただ、このテレビ、画面が大きいものを使用するため、下はキャスターで移動する形になっています。
キャスター固定具というものが必要になる事については、まだ周知されていないように思っていますので、今後、対策がとられるような指導があればと思います。
最後にガラスについては、学校のガラスは枠ごと落下したり、割れたりと、地震のたびに被害が出ています。

ガラスの種類別の詳しい内容と対策は文部科学省サイトを参考にしてください。そして、みなさんの避難所となっている学校が本当に安全になっているか忙しい学校まかせにせず、一緒に考えていただければと思います。
ということで、学校の非構造部材の危険性を警告してくれる「東京防災」さすがですね♪
学校の非構造部材についてどう対策すべきか考えさせられる
さて、まじめな話もいれつつなので、今回はたった3つしか紹介できませんでした。まだ続きます♪次回もよろしく♪
(了)
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/14
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/10/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方