2017/12/01
防災・危機管理ニュース
内閣府は、道府県から一部権限を希望する政令指定都市に移譲する災害救助法改正法案の2018年1月からの次期通常国会提出・成立を目指す。11月30日、「災害救助に関する実務検討会」の第4回会合を開催。政令指定都市側は内閣府案に賛成の意向が示された。政令指定都市が仮設住宅など費用を負担し実行主体となる代わりに、道府県から権限を移譲され国と直接協議もできるようにする方向。
災害時、都道府県は広域調整機能を持つ。仮設住宅や支援物資といった市区町村への資源配分などを行い、国との協議も行う。しかし2011年の東日本大震災では宮城県と仙台市が仮設住宅の建設の遅れについてお互い責任追及しあう事態となった。2016年の熊本地震でも災害救助の役割分担などで熊本県と熊本市が対立した。
災害救助法改正の内閣府案では都道府県と同等の災害対応力があると認められ、希望する政令指定都市については救助主体として認定する。仮設住宅整備や被災者への生活必需品の給与といった被災者への対応権限を、費用を政令指定都市が負担し実行する代わりに道府県から移譲を受ける。
また該当する政令指定都市は救助内容について国と直接協議できるようにする。例えば建設型仮設住宅の費用は戸あたり551万6000円以内となっているが、人件費や資材費の高騰で基準内に収まらない可能性がある。こういった場合、政令指定都市が基準の弾力的運用について国と交渉できる。
一方で都道府県の広域調整機能も改正で明確化する。市区町村相互間の連絡調整のほか、資源配分機能といった都道府県の役割・機能を定める。権限移譲を求める政令指定都市は、平常時から国や道府県との調整など体制作りを行っておく必要もある。
11月30日の会合では全20政令指定都市が内閣府案に賛成であることがわかったほか、都道府県側は広域調整権の中身についてさらなる詰めを求めた。内閣府では関係者間の調整を急ぎ、今年度内に閣議決定を行い、次期通常国会での災害救助法改正を目指す。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/02/10
-
-
海外危機管理マニュアルの作成が急務
海外に社員を送り出す企業にとって、緊急事態が発生した際の対応体制は必須。どんなに現地に慣れたベテランでも、自分の身を守り切れない事態は起き得ます。ましてや現在は安全保障上の国家対立が深まり、東アジアの緊張も高まっている時代。海外危機管理サービスを手がける安全サポートの有坂錬成代表取締役に、海外進出企業が取り組むべき対策を聞きました。
2026/02/05
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/02/05
-
-
-
-
-
発災後をリアルに想定した大規模訓練に学ぶ
2026年1月14日、横浜市庁舎10階の災害対策本部運営室で、九都県市合同による大規模な図上訓練が行われた。市職員に加え、警察、自衛隊、海上保安庁、医療従事者、ライフライン事業者などが一堂に会し、市災害対策本部運営をシミュレーションした。
2026/01/26
-







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方