2017/12/01
防災・危機管理ニュース

東京都は1日、2018年1月末に賞味期限を迎える防災備蓄食品である乾パン約13万食を無償配布すると発表した。立川市にある東京都立川地域防災センターと、江東区にある水素情報館「東京スイソミル」で配布する。
都では乾パンや缶詰のパン、アルファ化米といった避難所向けなど区市町村避難用に約766万食、帰宅困難者用に約59万食の計825万食の備蓄を行っているが、約109万食が今年度賞味期限を迎える。食品ロスをできるだけ削減するため、賞味期限が近いものは福祉施設やフードバンクなどへの寄贈やイベントでの配布などに活用しているが、今回は賞味期限が特に近いものを直接配布する。
配布期間は立川地域防災センターが8~10日、東京スイソミルが2日から2018年1月31日まで。個人以外にNPOや自治会といった法人・団体でも受け取り可能で、転売しないこと、賞味期限内に食べきり、廃棄しないこと、自ら持ち帰ることが条件。
立川センターでは128食入りの箱単位で、東京スイソミルでは5枚入りの個包装単位で配布。都環境局では1回あたりの受け取り数量に特に制限は今のところ考えておらず、配布状況に応じて、送料を受け取り者が負担したうえでの送付も検討しているという。
小池百合子知事は1日の記者会見で「町会単位でもいいので取りに来てもらって有効活用してほしい」と積極的な乾パン利用を呼びかけ。また、乾パンを利用した料理を紹介している警視庁警備部災害対策課のツイッターアカウントを紹介。チョコレートを加えてアレンジした乾パンを自ら食べてアピールした。
小池知事は同日の都議会での所信表明演説で今月末に公表する「ICT戦略(仮称)」に災害対応力の向上を盛り込む方針を表明。地震時の道路閉塞を防ぐなど防災効果の高い無電柱化については、基本方針や整備目標を定めた新たな計画を今年度内に策定する。2016年に成立した「無電柱化の推進に関する法律」に基づき、国が計画を作る動きがあることからこれに対応することや、9月に「東京都無電柱化推進条例」が施行されたこともあり、2014年に策定された計画を改め、新計画を出す。
■ニュースリリースはこちら
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/12/01/06.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方