民間企業からの構成員が意見を述べた

総務省は1日、サイバーセキュリティタスクフォース「公衆無線LANセキュリティ分科会」の第2回会合を開催。2020年東京オリンピック・パラリンピックや訪日外国人の増加で整備の進む公衆無線LANについて、民間企業からの構成員による意見表明が主に行われ、事件があった際などに重要な証拠となるトレーサビリティ(利用者追跡)や安全性などについて話し合われた。

トレーサビリティや認証についてはソフトバンクの佐々木満仁氏が偽装できない電話番号による自社の利用確認システムを紹介。KDDIの三宅優氏は訪日外国人の利便性向上には複数の公衆無線LANで使える共通認証サービスがよく、安全性も高まり暗号化の利用も促進できると説明。一方で利用者の特定に必要な認証情報に何を用いるかが課題とした。

NTTブロードバンドプラットフォームの北條博史氏は、同社が展開する「Japan Wi-Fi」でほかの無線LANとも連携可能な仕組みを用意していることを紹介。ユーザーの登録を別々にしなくて済む認証簡素化が必要である一方で、一定レベルのログ取得・保存によるトレーサビリティ確保は重要とした。

NECの石原潤二氏は身元不明のVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)を使用した際にユーザーの情報が盗まれるなどのリスクがあることやAndroid向けのVPNアプリにはマルウェアの組み込みがあるなど危険なものが多いことを説明。利用者が安全なアプリを選べる環境づくりが大事だとした。

同分科会では2018年1月にはとりまとめを行い、結果をサイバーセキュリティタスクフォースに報告する。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介