点検作業の流れや項目などが話し合われた

国土交通省は5日、「海岸保全施設における水門・陸閘(りっこう)等の維持管理マニュアル策定検討委員会」の第4回会合を開催した。津波や高潮対策で重要な水門や陸閘といった施設の管理に関する手引きを、主に堤防や護岸についてまとめている既存の「海岸保全施設維持管理マニュアル」に入れた、同マニュアルの改訂案が提示された。点検の内容や土木構造物部分のチェックなどを盛り込む。今年度中に最終的にまとめる。

国交省では水門・陸閘の維持管理マニュアルを新規に作る予定だったが、新規作成によって堤防・護岸と水門・陸閘で点検・評価項目が重複したり、水門・陸閘の土木構造部分は現行マニュアルとほぼ同じ内容であり、1つで済んでいた長寿命化計画が2つのマニュアルに分断されたりするといったデメリットがある。このため、海岸保全施設の現行マニュアルを改訂し、水門や陸閘に関する項目を追加することとなった。

改訂案では水門・陸閘の動力で開閉するような大規模設備を「一般点検設備」、小規模な設備を「簡易点検設備」と設定。一般点検設備は年1回の年点検と月1回の管理運転点検を、簡易点検設備は年数回の管理運転点検を行う。津波や高潮といった災害が発生後は、開閉操作を行ったりして臨時点検を行う。災害対応で必要だった開閉作業についても臨時点検と同様に扱う。

堰柱や門柱といった土木構造物部分の破損や変形が設備部分にも大きな悪影響を与えるとし、土木構造物部分の点検や変状ランクを設定。変状ランクは4段階に設定。総合的な健全度評価では仮に設備部分の異常がなくとも、土木構造物の変状が大きければ、健全度に問題ありと判断し、対策をとるよう促す。総合的健全度も4段階で表示する。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介