気候対策にも関連した投資の波の満ち引きが活発化(写真:写真AC)

■ダイベストメントによる投資の引き上げ

前回述べた座礁資産という捉え方が、今後低炭素社会に向けた推進力の一つとなることは間違いありませんが、一方、座礁資産を対象とした気候対策関連の「ダイベストメント」も活発化しつつあります。

化石燃料資源を保有する企業の将来リスクを考慮した「ダイベストメント」が活発化(写真:写真AC)

「ダイベストメント」とは、インベストメント(投資)の反対語で、石炭火力発電や化石燃料資源を保有する企業の将来のリスクを考慮して投資を引き揚げることを指します。ダイベストメントのタイプにはいくつかあり、例えば機関投資家が座礁資産関連株を売却する、自社の事業部門を売却する、銀行などが座礁資産を資源として活用する企業への新規融資を取りやめるといったものもあります。

Arabella Advisorsという米国の投資会社はこの数年、化石燃料からのダイベストメントとクリーンエネルギー投資の最新動向をグローバルな視点で報告書にまとめて発表しています。この2018年版「The Global Fossil Fuel Divestment and Clean Energy Investment Movement 2018」では、パリ協定から3年が経過し、機関投資家および個人の化石燃料企業からのダイベストメント額は、2年前(2016年)の発表時の5兆米ドルから6.2兆米ドルに増加したと発表しています。

このように、欧米を中心に投資先企業の気候変動関連リスクに着目し、これを評価し投資行動に反映する動きが拡大してきており、日本企業への影響もより顕著になりつつあるのです。