2021/01/27
防災とピクトグラム
「在宅避難」を知っていますか?
自宅が損壊して危険な場合には避難所に避難しますが、自宅で過ごせる状態であれば、新型コロナウィルスなどの感染症にかかるリスクが少ない在宅避難が注目されています。
実は、東日本大震災の直後、車いす使用者などは避難所に行っても、当日または数日後、自宅に戻ってしまいました。「仮設トイレが使えない」「段差があったり、狭くて移動が困難」などの理由です。また、「障害者を受け入れてくれる避難所も、すぐ見つからなかった」こともお聞きしています。そうです。当時は仕方なく、一部の障害者が在宅避難をしていました。
最初は自宅が損壊する可能性もあるので、ハザードマップからどこに避難するのか調べてから、在宅避難も選択肢の一つに考えてみてはいかがでしょうか。いざというときに、在宅避難と避難所生活のどちらも事前に想定しておくことは重要です。
備えあれば憂いなし(自助)
窓ガラスや食器棚に飛散防止フィルムを貼ったり、家具を固定し、扉付近や廊下に物を置かない。こういった日頃からの部屋の掃除や片付けが、減災につながります。
救助活動の現場では災害後3日間(72時間)が勝負といわれています。人命救助が最優先になるので、防災備蓄品はご本人とご家族の最低3日間分を備えておくと安心です。
防災備蓄品とは、非常食、飲用水、非常用トイレ、常備薬および応急手当用品などです。年に一度は定期的にチェックしましょう。急な避難に対応できるように、持ち出し品は何を持っていくべきかリストアップしておくと、いざという時に安心です。
お互い様の精神(共助)
災害時は、公助による助けがすぐに来ない可能性があるでしょう。そのため、災害時は自助や地域住民同士で助け合う共助が大切だとされています。まず自分や家族の安全が確保できていることが前提の活動です。自分のペースで無理のない範囲で行ってください。
最後に、防災士の資格を取って終わりではなく、重要なのは資格を取った後の勉強や実践です。誰かがやってくれるだろうという気持ちを捨てて、自分から積極的に防災活動に関わっていただければ幸いです。
おすすめ記事
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
-
新任担当者でもすぐに対応できる「アクション・カード」の作り方
4月は人事異動が多く、新たにBCPや防災を担当する人が増える時期である。いざというときの初動を、新任担当者であっても、少しでも早く、そして正確に進められるようにするために、有効なツールとして注目されているのが「アクション・カード」だ。アクション・カードは、災害や緊急事態が発生した際に「誰が・何を・どの順番で行うか」を一覧化した小さなカード形式のツールで、近年では医療機関や行政、企業など幅広い組織で採用されている。
2025/04/12
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方