リスク対策.comが行った地震シミュレーションアンケートの結果から、災害対策のポイントを学ぶシリーズ13回目は、目標について取り上げます。下記の質問に対して、自社の取り組みがどの程度当てはまるか、ぜひ改めて組織内で考え、現状の対策を見直してみてください。このシリーズが終わる頃には、きっと自分たちの防災やBCPのレベルが向上しているはずです!

【質問21】

災害対策本部会議では、今後の事業継続の方針について話し合いが行われました。あなたの組織では、あらかじめ、どのような事業を、何日以内に、どの程度のレベルまで復旧させるか目標が決められていると思いますか?

 

【質問22】

ライフライン各社から、復旧には、かなり時間を要するとの発表がありました。あなたの組織では、1週間程度ライフラインが停止しても、顧客や取引先、市場に大きな影響を与えないよう主要事業を継続させられると思いますか?

 

①全くそう思わない
②あまりそう思わない
③半々
④そう思う
⑤強くそう思う

さて、どうでしょう? 回答状況は以下の通り。

 

【質問21】

 

【質問22】

 
 

 

 
 
兵庫県立大学教授 木村玲欧氏のコメント


ライフラインの停止期間について、今回は「1週間程度」として質問しましたが、予想よりも対策が進んでいないようです。私たちが、復興庁・岩手県・宮城県・福島県と一緒に行った東日本大震災の被災者調査では、ライフラインが被害を受けた場合、震災後1週間で停電が復旧したのは約6割、断水が復旧したのは約5割、都市ガスが復旧したのは約1割でした。首都直下地震や南海トラフ地震でも、1週間程度はライフラインが使えない中で事業継続を行う必要がありそうです。

工場の動力源ともなると大規模なものになり話は別ですが、事務所などで事業継続を可能にするために、水や食料の他、簡易的な発電機(電気が使えるところから持ち込めるポータブル電源含む)、トイレやウェットティッシュなどの衛生用品、毛布といった防寒具などを備える必要があります。災害時にライフラインが使用できない状況に陥ると、BCPで設定していた目標復旧時間(RTO)や目標復旧レベル(RLO)が大きくずれ込んでいく可能性があることを知っておきましょう。