リスク対策.comが行った地震シミュレーションアンケートの結果から、災害対策のポイントを学ぶシリーズ4回目は災害対策本部の機能と役割です。下記の質問に対して、自社の取り組みがどの程度当てはまるか、ぜひ改めて組織内で考え、現状の対策を見直してみてください。このシリーズが終わる頃には、きっと自分たちの防災やBCPのレベルが向上しているはずです!

【質問6

余震のたびに、建物内ではモノがきしむような音があちこちから聞こえて
きます。あなたの組織では、災害時に施設内の被害状況を確認できる体制が整っていると思いますか?

【質問7】

外では消防車のサイレンや車のクラクションが鳴り響き、遠方では黒い
煙が上がっています。公共交通機関も止まっているようです。あなたの
組織では災害情報を速やかに入手する準備ができていると思いますか?

【質問20】

メディアから被災状況について問い合わせが入っています。あなたの
組織では、災害時の広報対応について想定し、しっかり準備できてい
ると思いますか?

【質問27】

トップからは、これまでの「被害状況と対応状況を報告しろ」との指
示がありました。あなたの組織では、発災後からの被害状況や対応状
況が、ホワイトボードなどで、しっかり記録できていたと思いますか?

①全くそう思わない
②あまりそう思わない
③半々
④そう思う
⑤強くそう思う

いずれの質問も、災害時の役割にもとづいて行われるものです。さて、どうでしょう? 逆の言い方をすれば、役割を決めておかないと対応できない可能性が高い。つまり災害対策本部の機能として、上記の質問のようなことを想定し、誰が、具体的にどう行うかまでを決めておくことが大切です。

では、回答状況を見ていくとともに、災害対策本部の役割について考えてみましょう。

【質問6】

 

【質問7】

 

【質問20】

 

【質問27】

 

 

 
兵庫県立大学教授 木村玲欧氏のコメント

災害時の情報収集はできているようですが、その後、どのように情報を「料理」するかについてはまだまだなのかなと思いました。情報は、入手すればそれで終わりではありません。ホワイトボードなどで内容別に収集した情報をまとめ、利用できる形にしなくてはいけません。また、その内容を分析し、次に何をすべきかの対応計画を作るとともに、その対応計画の内容を内外に広報することも重要です。このように情報をどのように料理して生かしていく「情報処理」の過程がしっかり決められているか、今一度、組織の災害対応体制を見直してみてください。