2018/02/09
防災・危機管理ニュース
東京都立産業技術高等専門学校は9日、東京都品川区、東京商工会議所品川支部、警視庁の品川区内の警察署である品川署、大井署、大崎署、荏原署と、サイバーセキュリティに関する協定を締結した。警視庁が都内区市町村を交えたサイバーセキュリティの協定締結は品川区で21件目となるが、教育機関の参画は初めて。区内中小企業のサイバーセキュリティ向上を図る。
協定では警視庁から講師を派遣しセミナーを開催するなど、中小企業のサイバーセキュリティ底上げへの取り組みを行う。産業技術高専は訓練で教員が体験システムを提供するほか、生徒が講師サポートを行う。品川区はセミナー施設の提供や広報を、東京商工会議所品川支部は広報のほかセミナー参加者の募集を行う。
品川区は2020年東京オリンピック・パラリンピックでホッケーとビーチバレーの会場となっている。同区役所で行われた締結式で濱野健区長は、「五輪でサイバー攻撃もし烈になることが予想される。協力しあって犯罪から自分たち、そして社会を守っていこう」と述べた。産業技術高専の田原正夫校長は「2016年4月から情報セキュリティ分野の実践的教育プログラムを開始している。背景には五輪やIoT普及で人材育成が急務になっていることがある。人材育成で地元・品川区の発展へ尽くしたい」と説明した。
9日、さっそく同高専において品川区内中小企業事業者16人向けに実機訓練を開催。警視庁から派遣された講師が説明し、同高専の生徒がサポートした。訓練では架空のサイトでのパスワード登録を実施。数字5ケタでパスワードを作るとハッカーの解析ツールを使い0秒で見破られるが、数字とアルファベットと記号を用いると見破られにくいなど、対策を立てることの重要性などが伝えられた。数字とアルファベットと記号を用いて7ケタで作ると、1カ月は見破られないという。
参加者のひとりである男性の不動産業社長(70)は「高齢者にはサイバーに関する構造がわかりにくい。受講してパスワード設定や社内でのチェック体制の重要さがわかった」と取材に対し語った。警視庁サイバーセキュリティ対策本部では、パスワードを複雑にするほか、退職者が出たら変更するなど社内での管理体制を決めることも重要だとしている。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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