2018/03/22
防災・危機管理ニュース

社会インフラの維持更新を担う技術者を活用・育成するため、国土交通省が建設コンサルタント業の民間資格を評価・登録する「登録資格」制度について、国交省は2月27日、「地盤品質判定士」など新たに40の民間資格を登録したと発表した。毎年評価・登録する民間資格を公募しており、今年で4回目。登録された民間資格は制度開始からの累計で251となった。登録された資格は、国や自治体が発注する建設コンサルタント業務の資格要件や、入札時の加点評価に採用される。
国交省による資格登録制度は、2012年山梨県大月市・笹子トンネルで天井板が落下して9人が死亡した事故をきっかけに、社会資本ストックの維持管理・更新を適切に実施できるよう、国家資格が存在しないインフラの維持管理・更新分野で民間資格を国交省が認定登録する制度として2014年度に導入された。
今回「舗装」「小規模附属物(道路標識・道路照明など)」「宅地防災」の3部門が新たに資格公募され、今回追加登録された40資格のうち、新3部門で17資格が登録された。このうち「宅地防災」は、2016年熊本地震で宅地の地盤崩壊が多数発生し、自治体からの調査業務が増えているために新設された部門。同部門では今回は、地盤工学会など9団体が運営する「地盤品質判定士」が単独で認定を受けた。
「地盤品質判定士」は、宅地の造成業者・不動産業者・住宅メーカーと、住宅および宅地の取得者との間に立ち、地盤調査と評価、対策の提案などを行う資格。2013年2月に創設され、現在全都道府県に952名の資格者が存在する。
■現時点に資格登録されている全251資格の一覧はこちら
http://www.mlit.go.jp/common/001223313.pdf
(了)
リスク対策.com:峰田 慎二
- keyword
- 建設コンサルタント
- 国土交通省民間資格登録制度
- 国交省
- 地盤品質判定士
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方