2018/03/29
防災・危機管理ニュース

東京都は地域防災計画震災編の修正について2018年度に着手する。28日開催された「東京都防災会議」で小池百合子知事が明らかにした。2019年度の早期に完了させる計画。また27日に公表された2020年度までの都の防災計画である「セーフ シティ東京防災プラン」についての報告などが行われた。
東京都地域防災計画震災編は2014年7月に修正。南海トラフ地震想定などを受け、対策を盛り込んだ。小池知事は新たな修正について「4月以降に着手する」と説明。都総務局によると2019年度の早期に完了させる計画。2016年の熊本地震の教訓や女性視点による考え方を生かす方向だという。
防災会議では「セーフ シティ東京防災プラン」について報告。東京オリンピック・パラリンピックの行われる2020年度に向けた3カ年の都の防災計画。都内で起こりうる(1)区部・多摩地域における地震(2)島しょ地域における地震(3)島しょ地域における火山噴火(4)都内各地における風水害-の4つの災害シナリオを提示。懸念される事態を防ぐために、事前に行うべき行動もまとめている。例えば(1)であれば建物の耐震化や家具の固定、情報収集手段の多様化や安否確認サービスの利用、帰宅困難者対策として一斉帰宅の抑制や備蓄の実施といったことを都民や事業者に対して呼びかけている。
また建物の耐震化や出火・延焼の抑制といった防災上の課題について、年度ごとの工程表を作成。グラフなどわかりやすい図表やコラムによる説明を行っている。パブリックコメントを受け、簡易トイレの備蓄の重要性も追加。さらに掲載内容が「東京防災」や1日に発行された女性向けガイドブックの「東京くらし防災」のどの部分に該当するかの早見表も掲載した。普段からの備えや自助・共助の重要さを都民に伝える内容となっている。
小池知事は同計画について「自助・共助の取り組み進展へ作成した」と説明。さらに「『セーフ シティ・東京』の実現に向けて万全の防災対策を進めたい」と述べた。
■ニュースリリースはこちら(セーフ シティ東京防災プラン)
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/03/27/28.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/03/25
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方