災害時に官民で有効な情報活用を進める

内閣府は3月30日、災害時の国、地方自治体、民間企業による情報共有システム「災害情報ハブ」の基本的なルールと官民共同談話を発表した。関係団体がICTを積極活用。現場での情報収集や整理には防災科学技術研究所が中心に整備するSIP4D(府省庁連携防災情報共有システム)を活用。情報ごとに提供範囲や期間を決め、共有を進めつつ国が適切に管理する。

道路やライフラインなどの被害や避難所、物資供給といった情報を官民で一元化し、利用できるようにする。情報は機械判読可能な形で提供。情報所有者は情報ごとに、例えば中央省庁限り、地方自治体までといった公開範囲などの入手条件を整理した「情報カタログ」の作成に協力し、最新の状態の確保に努めることなどを盛り込んだ。「災害情報ハブ」の活用により、例えば地図上に道路不通状況や避難所情報を載せるなど、複合的な情報をわかりやすく可視化して利用することが可能となる。

また防災科研など総勢8人程度で官民チームを結成。今年度から試行的に取り組みを行い、課題などを精査していく。共同談話は小此木八郎・防災担当大臣のほか、日本経済団体連合会の榊原定征会長など業界団体や、「災害情報ハブ」整備のための検討会に出席していた各企業のトップなど15人の連名で発表。「官民が持ち得る情報を可能な限り共有するための具体的な行動に向けた検討を進めていく」とした。

■ニュースリリースはこちら
http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/pdf/20180330_02kisya.pdf

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介