ソーシャルメディアリテラシーの重要性

インフォデミックを防ぐために、一人一人が情報をうのみにせず、周囲に誤った情報を拡散させない事が重要です。しかし、あふれかえる情報の中からデマ情報や不確かな情報を排除し、正確な情報を見抜くことは、容易なことではありません。

また、デマ情報や誤情報を、そうであるとは気付かずに善意で拡散させてしまうことも。ワクチンなどの医療に関する不確かな情報の拡散は、人の命や公衆衛生に大きく影響を及ぼすリスクがあります。

ソーシャルメディア上の多くの情報から正しい情報を見極めて適切に活用するためには、次の3つのポイントに留意して、自身のソーシャルメディアリテラシーを高めることが大事です。

(1)情報を見極める能力を養う

ソーシャルメディアの特性を理解し、ソーシャルディアで発信される情報には、デマ情報や根拠のない不確かな情報が含まれていることを認識した上で、ソーシャルメディア上で流れる情報から正しい情報を選択する能力を身に付けることが必要とされます。社会が不安定なときは、あふれる情報に振り回されないよう、信頼性ある情報機関が提供している1次情報を取得することが大事です。

コロナ禍では、首相官邸や厚生労働省などの公式機関が発信する情報やWHOの公式サイトなど確認するとよいでしょう。ただし、公式機関が発信する情報であっても、専門領域でない機関が発信する情報や、医師や学者などの専門家が個人で発信している情報はうのみにしないようにしてください。

なお、有事においても正確な情報を適時に収集できるように、平時から信頼できる機関やメディアのアカウントをフォローしておくことをお勧めします。

(2)受け手側に配慮して情報を発信する

ソーシャルメディアで情報を発信する際は、情報の受け手側に誤解が生じたり、不愉快な思いをさせたりしないよう、言葉選びや表現に注意しましょう。また、特定の相手にのみ伝えたい情報を発信する際はメッセージ機能やグループ機能を利用するなど、目的に合わせてソーシャルメディアの機能を使い分けることも大事です。

(3)発信する情報に責任を持つ(情報モラル)

誰もが情報を発信できる時代であるからこそ、情報の発信者には、自らが発信する情報の正確性や情報の受け手に及ぼす影響について責任を持つことが求められます。自らが発信する情報が社会に及ぼす影響を理解し、個人的な主義主張や自己承認欲求から、不確かな情報や誤った情報を発信することがないようしなければなりません。万一、誤った情報を発信してしまったことに気付いたときは、速やかに訂正し、拡散されないようにしましょう。

他者が発信した情報に関しても、安易に拡散することを控え、情報の正確性を自ら確認した上で拡散の必要性の有無について判断することも大事です。

リスクを踏まえて上手に活用する

ソーシャルメディアは現代生活に欠かせない情報インフラであり、災害やパンデミックなどの有事には、従来のメディアでは果たせない力を発揮するものです。しかし、デマ情報や不確かな情報の拡散などにより情報汚染がはびこれば、ソーシャルメディア自体の信頼性が損なわれてしまいます。ソーシャルメディアの信頼性を向上させるためには、一人一人が情報モラルを持って利用することが求められます。

そして、誰もが発信者として情報を分かち合える時代であればこそ、おのおのが自らのソーシャルメディアリテラシーを養い、いかなる状況においても、膨大な情報に踊らされることなく、正しい情報を見極める力をつけることが重要です。