【シンガポール時事】シンガポール感染症庁(CDA)は28日、ニパウイルスの流行を受け、感染が確認された地域からの到着便を対象に、空港で体温検査を実施すると発表した。南アジアからの外国人労働者への監視も強化する。現時点で国内での感染は確認されていない。

 インド西ベンガル州では今月、2人のニパウイルス感染が確認され、うち1人は重篤とされる。インドでの流行は2001年以降7回目。ワクチンや確立した治療法は存在しない。

 CDAは、入国地点で旅行者に注意喚起し、体調不良時には速やかな受診を促す。医療機関には、流行地域への渡航歴を持つ患者で症状が疑われる場合に注意するよう通知した。同庁は、南アジア各国の関係機関と情報交換を進め、感染例の遺伝情報を共有する国際的な基盤構築にも取り組んでいる。

 ニパウイルスは、主にコウモリなど感染動物との接触で感染する。世界保健機関(WHO)によると、過去の流行では致死率が約40~75%とされる。症状は、無症状や軽度の感染から急性呼吸器疾患、致死的な脳炎まで幅がある。

 1998~99年には、マレーシアとシンガポールの養豚場で流行が確認され、約300人が感染して100人超が死亡した。当時、約100万頭の豚が殺処分され、家畜移動の制限や防護具の使用が徹底された。(了)

(ニュース提供:時事通信 2026/01/29-13:30)

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