NO.5 過激イスラム原理主義のテロ

テロ問題は、毎日のように新聞・雑誌・テレビなどメディアでも取り上げられているが、最近だと、「ローンウルフ」と言われるような、社会的に知られている大がかりなテログループには属さず、単独もしくはごく少数でテロを計画したり発動したりするテロリストや、「ホームグロウン」と言われるような、国外の過激思想に共鳴したごく普通の人がテロリストになっていく現象も増えている。もはや世界のどこでテロが起きても全く不思議ではない。

ただし、よく勘違いされる人が多いが、イスラム原理主義と言われる人たちが、全てテロリストというのは全くの間違いだ。世界に何万人といるイスラム原理主義の団体のほぼ100%の方々は、地域に病院を造ったり、学校を造ったり、素晴らしい社会活動を行っている。ごく、ごく一部が過激なイスラム原理主義者になっていることを忘れてはならない。また、イスラム教自体が過激な思想を持っていると考えている人もいるが、これも全く違う。神の前に平等という意味では、ユダヤ、キリスト、イスラムの世界三大一神教の中でも最もしっかりしていると思う。宗教学者の中でも、イスラム教は世界で最も確立された宗教だと言う人もいる。

逆に、海外に進出する以上、イスラム教に無関心でいるわけにはいかない。インドネシアに行くと2億人以上のイスラム教徒がいる。今、世界のイスラム教徒の人口比率は23.2%と言われているが、2050年にはほぼ確実に25%まで上がると推測されている。宗教別では世界で最も人口が増えている宗教だ。

イスラム国についても、最近急に出てきた団体であるという認識を持つ人がいるが全く違う。元々イラクを中心に活動していたアルカイダ系の組織で、それが名前を変えながら、今はイスラム国を名乗っている。厄介なのは、旧フセイン政権の官僚も含めたイラク人たちがこの中に参加していること。中東においてイラク人は非常に優秀で、そのような人たちがイスラム国に加担をしているという点に注意しなければならない。また、イギリスでは、毎年1万人の若者がキリスト教徒からイスラム教徒に改宗していると言われる。格差が広がる中で、神の前に平等というイスラムへの評価が高まっているのだろう。アメリカでも、キリスト教徒からイスラム教に改宗しようという動きが出ている。そのような中で改宗した人というのは過激な思想を持ちやすい傾向があるとも言われている。特に、ローンウルフと呼ばれる人たちは明確な指示がなくても、自分たちの考えでインターネット上のいろんな情報を基にテロをやる人が増えているそうだ。特徴は、比較的高学歴で普通の人ということ。逮捕歴もほとんどないため把握しづらい。

NO.6 テロ組織の多様化

一方で、今アメリカでFBI(連邦捜査局)が最も危険なテロリストだと言っているのは、過激な動物愛護団体や環境保護団体である。当初は動物実験を排除するというような行為だったが、活動が激化してきて、最近では、フカヒレを運んだだけでも、過剰な妨害活動を受けることがある。このほか、妊娠中絶反対・他民族排斥など数多くの過激な組織が存在することにも注意が必要である。中国情勢と朝鮮半島情勢の流動化も引き続き注意を要する。北朝鮮は今年1月に水爆実験を行い、2月には弾道ミサイルの実験を行っている。北朝鮮は、世の中の関心が薄れると何か急に目立つ行動に出る傾向がある。特に、アメリカ大統領選挙のある年やアメリカ大統領が就任した年などに、これまでも何度か国際的な問題を起こしてきた。ただし、北朝鮮は表向きには「これから戦争をする」「ほとんど開戦と一緒だ」などと過激なことを言うが、実際は戦争をやっても絶対に負けることが分かっていて、彼らから戦争を仕掛けるということはまずあり得ないというのが一般的な常識だ。そのことは、中国もよく理解していて、下手に戦争をして負けられると、朝鮮半島がアメリカの勢力下になることを一番恐れている。そのような関係が今後も続いていくということになる。

NO.7 中国情勢・朝鮮半島の流動化

中国情勢と朝鮮半島情勢の流動化も引き続き注意を要する。北朝鮮は今年1月に水爆実験を行い、2月には弾道ミサイルの実験を行っている。北朝鮮は、世の中の関心が薄れると何か急に目立つ行動に出る傾向がある。特に、アメリカ大統領選挙のある年やアメリカ大統領が就任した年などに、これまでも何度か国際的な問題を起こしてきた。ただし、北朝鮮は表向きには「これから戦争をする」「ほとんど開戦と一緒だ」などと過激なことを言うが、実際は戦争をやっても絶対に負けることが分かっていて、彼らから戦争を仕掛けるということはまずあり得ないというのが一般的な常識だ。そのことは、中国もよく理解していて、下手に戦争をして負けられると、朝鮮半島がアメリカの勢力下になることを一番恐れている。そのような関係が今後も続いていくということになる。

NO.8 欧州における右傾化

欧州における右傾化は、近年、急浮上してきたリスクで、多くは移民政策によるものである。今年発表された世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書のリスクマップの中でも、難民問題は一番右上、つまり最も発生確率が高く、影響度が高い深刻な問題に位置づけられた。難民が増えるということは、特に欧州においては、これを排斥しようとする動きが活発化し、民族主義的な極右政党が政権与党になるなど、右傾化が進むことが予測される。実際に最近の欧米の選挙での極右勢力の台頭が目立っている。失業率が高いことや、テロが増えている原因が、難民を受け入れていることにあると見る人が多く、移民も含めた他民族の排斥という問題は今後も欧州で大きな問題になってくると予測される。