災害時の食事、何に気をつければいい?
日頃の備えでいざという時のストレスを減らそう

時東 ぁみ
防災士資格の取得(2007年)をきっかけに防災をより身近なものにするべく、エンタメの要素を取り入れながら楽しく伝える活動を展開。防災をテーマにしたラジオ番組やイベントなどに多数出演。上級救命技能、ペット災害危機管理士3級など防災・危機管理に関する資格多数。
2021/11/08
時東ぁみの「防災やってみよっ!」
時東 ぁみ
防災士資格の取得(2007年)をきっかけに防災をより身近なものにするべく、エンタメの要素を取り入れながら楽しく伝える活動を展開。防災をテーマにしたラジオ番組やイベントなどに多数出演。上級救命技能、ペット災害危機管理士3級など防災・危機管理に関する資格多数。
地震、台風、洪水、土砂災害……。災害はいつ起こるかわかりません。だからこそ、普段からの備えが大切になってきます。中でも大切なのが「食」。ご家族で生活をしている場合にはある程度の買い置きがあるかもしれません。けれど一人暮らしの方は、必要に応じてコンビニでごはんを買っていたりして、十分な食材が家にないケースも多いのでは? そんな時に地震や台風が起き、物流の停止や食料の買い占めが発生すると、困りますよね。今回は、災害にどう備え、対応すべきかを「食」という観点から考えていきましょう!
いざ災害に備えて備蓄を用意しようとなった時、みなさん「専用の食品でないと駄目かな」「栄養バランスにも配慮しなければ」など悩まれるのではないでしょうか。私のおすすめは、ずばり日頃食べ慣れているものを用意しておくこと! 災害が起きると、普段とは異なる生活を余儀なくされます。そんな非常時に初めての食品を食べると、かなりストレスがかかります。もちろん栄養バランスが取れているに越したことはありませんが、それよりも非常時のストレスをできるだけ減らす、これが一番大切です。食べ慣れていれば、インスタントラーメンやレトルトのカレーでもOK。日頃の買い置きも意外と大切ですよ。
とはいえ、専用の非常食は日持ちするし、非常時を前提としているから便利です。それに、いまはバリエーションが豊富になっていて、味もおいしくなっています。ですから「普段から非常食を食べて慣れる」というのも一つのやり方です。
やったことのないことは、被災時にはなかなかできません。非常食の中には、スプーンや脱酸素剤が入っています。もちろんパッケージには注意書きがあるけれど、被災で動揺している状態では、そのままお湯を注いでしまうことも。普段から非常食を作って食べ慣れておくと、こうしたミスがなくなり、いざという時のストレスも格段に減ります。だとしたら、ある種の防災訓練ですよね。災害時には大人が生き残れるとは限りませんから、お子さんにもぜひ挑戦してほしいです。慣れないうちは危ないので、必ず大人が付き添うようにしてくださいね!
非常食に慣れてきたら、アレンジレシピを試してみるのもおすすめです。アルファ化米をお茶で戻して茶粥にしたり、トマトジュースを入れてリゾット風にしたり……おいしく食べるテクニックはたくさんあります。ぜひ調べてみてください。
もう一つ、食品とともに絶対に必要になってくるのが「水」。飲用・調理用に1人あたり1日3リットルの水を1週間分用意しておくべきだとされます。でも、そうなると部屋がペットボトルだらけになりかねません。普段から被災時にどう水を使い回すか考え、保存の仕方を考えるといいでしょう。
時東ぁみの「防災やってみよっ!」の他の記事
おすすめ記事
被災時に役立ったのはBCPではなく安全確保や備蓄
今号から、何回かに分け、内閣府「令和3年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」の結果を解説するとともに、防災・BCPの課題を明らかにしていきたい。第2回は、被害を受けた際に有効であった取り組みについて
2022/05/19
最後に駆け込める場所をまちの至るところに
建築・不動産の小野田産業は地震や津波、洪水、噴火などの自然災害から命を守る防災シェルターを開発、普及に向けて取り組んでいます。軽くて水に浮くという特色から、特に津波避難用での引き合いが増加中。噴火用途についても、今夏には噴石に対する要求基準をクリアする考えです。小野田良作社長に開発の経緯と思いを聞きました。
2022/05/18
新しいISO規格:ISO31030:2021(トラベルリスクマネジメント)解説セミナー
国際標準化機構(ISO)は2021年9月、組織向けの渡航リスク管理の指針となる「ISO31030:2021トラベルリスクマネジメント」を発行しました。企業がどのようにして渡航リスク管理をおこなったらよいか、そのポイントがまとめられています。同規格の作成にあたって医療・セキュリティの面から専門的な知識を提供したインターナショナルSOS社の専門家を講師に招き、ISO31030:2021に具体的に何が書かれているのか、また組織はどのようなポイントに留意して渡航リスク管理対策を講じていく必要があるのかなど、具体例も交えながら解説していただきました。2022年5月17日開催
2022/05/18
BCPは災害で役に立たない?
今号から、何回かに分け、内閣府「令和3年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」の結果を解説するとともに、防災・BCPの課題を明らかにしていきたい。第1回は、BCPの見直し頻度と過去の災害における役立ち度合いについて取り上げる。
2022/05/18
政府調査 BCP策定率頭打ち
内閣府は5月18日、令和3年度における「企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」についての結果を発表した。それによると、大企業のBCPの策定状況は、策定済みが前回の令和頑年度から2.4%伸び70.8%に。逆に策定中は0.7%減り14.3%で、策定済と策定中を合わせた割合は前回とほぼ同じ85.1%となった。政府では2020年までに大企業でのBCP策定率について100%を目標としてきたが頭打ち状態となっている。中堅企業は、策定済みが40.2%(前回34.4%)、策定中が11.7%(前回18.5)%で、策定と策定中を足した割合は前回を下回った。
2022/05/18
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2022/05/17
SDGsとBCP/BCMを一体的にまわす手法~社員が創り出す企業のみらい~
持続可能な会社の実現に向けて取り組むべきことをSDGsにもとづいてバックキャスティングし、BCP/BCMを紐づけて一体的に推進する、総合印刷サービスを手がける株式会社マルワ。その取り組みを同社の鳥原久資社長に紹介していただきました。2022年5月10日開催。
2022/05/12
企業が富士山噴火に備えなければならない理由
もし富士山が前回の宝永噴火と同じ規模で噴火したら、何が起きるのか? 溶岩や噴石はどこまで及び、降灰は首都圏にどのような影響を及ぼすのか? また、南海トラフ地震との連動はあるのか? 山梨県富士山科学研究所所長、東京大学名誉教授で、ハザードマップや避難計画の検討委員長も務める藤井敏嗣氏に解説いただいた。
2022/05/11
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方