「自分の命をどう守る?」 防災ポーチをきっかけに災害対策を
非常時の余裕は事前の備えから

時東 ぁみ
防災士資格の取得(2007年)をきっかけに防災をより身近なものにするべく、エンタメの要素を取り入れながら楽しく伝える活動を展開。防災をテーマにしたラジオ番組やイベントなどに多数出演。上級救命技能、ペット災害危機管理士3級など防災・危機管理に関する資格多数。
2022/03/15
時東ぁみの「防災やってみよっ!」
時東 ぁみ
防災士資格の取得(2007年)をきっかけに防災をより身近なものにするべく、エンタメの要素を取り入れながら楽しく伝える活動を展開。防災をテーマにしたラジオ番組やイベントなどに多数出演。上級救命技能、ペット災害危機管理士3級など防災・危機管理に関する資格多数。
「防災」と聞くとつい「真面目に取り組まなきゃ」と身構えてしまうけど、まずは日頃の生活の中で気軽に楽しくやってみるのが一番。私がみなさんにお伝えしたいことは、これに尽きます。
中でも防災を考えるよいきっかけになるのが「防災ポーチ作り」です。仮にお出かけ中に被災したとして、手元に何があったら自分の命が守れるか—そう考え、持ち歩いても負担にならない重さの中で、役立ちそうなグッズを詰め合わせてみる。これがとても効果的なトレーニングになるんです。
でも、イチから防災ポーチ作りに取り組むのは少々ハードルが高いのも事実です。そこで本連載に協力してくれているMT-NETさんとコラボし、「mlitB×MT-NET」というブランドでみんなに役立つ最大公約数を詰め込んだ防災ポーチを開発しました。今年1月半ばからMT-NETのサイトなどで発売中です!
神戸と東京に拠点を置き、防災用品の製造・開発・販売を行う防災専門店MT-NETさんは、防災のことなら何でもこいのエキスパート。今回は同社代表の水島徹朗さん、一緒に商品開発をした毛利明美さんと開発過程を振り返りながら、何があればいざという時に安心か、改めて話し合ってみます。みなさんもぜひ「自分の場合」を考えながら読んでみてくださいね!
時東:水島さん、防災ポーチの売れ行きはいかがですか?
水島:なかなか好調ですよ。男性は「ポーチ」という言葉に身構えがちなのですが、今回はかなり多くの人が購入してくれています。男女問わない洗練されたデザインが受けているのかもしれませんね。
時東:そうなんですか、すごくうれしいです! 「ふだん持ち歩くものだからダサいデザインは絶対にイヤだ、おしゃれにしたい」というのが私のこだわりポイントだったので。
毛利:時東さんは徹底していて、ポーチの生地選び一つとっても妥協しませんでしたね。
時東:被災時を考えると布ではなく洗える素材にしたい、チャックでは引っかかってしまうこともあるので マジックテープで開閉できるようにしたい……毛利さんにはポーチのサンプルを何度も作ってもらいましたよね。あの時はワガママ言ってすみませんでした!!!
毛利:ぜんぜん! 時東さんは作りたいもののイメージが最初からはっきりしていて、軸もブレませんでした。一緒に作っていて楽しかったです。
水島:実は9年ほど前にも一度、防災ポーチを開発したことがあるんです。家や車の中に置いておける防災バッグは当然それまでに作っていました。でも、災害はいつ起こるかわかりません。通勤や買い物など無防備になりがちな外出中にも身を守れなければいけない。それで普段持ち歩け、必要最低限の防災ができるポーチを開発しました。ところが、マスコミにも取り上げられて注目度は高いものの、いざ発売してみるとぜんぜん売れない(笑)。きっとみなさん、「防災ポーチ」と聞いてもピンとこなかったんでしょうね。けれど、普段ちょっとしたものを持ち歩いているだけで、命が助かるケースは多いんです。
時東:本当にそうなんですよね。みんなが自分の命を一番に考え、普段から災害に備えておけば、被災時に周囲の人に手を差し伸べる余裕ができます。今回の商品開発で作った「mlitB」というブランド名は、「My life is the Best」のイニシャルをとったもの。自分の命が一番大切だよ、という思いを込めています。
時東ぁみの「防災やってみよっ!」の他の記事
おすすめ記事
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/06/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方