2018/05/25
防災・危機管理ニュース

東京都は24日、今年度「東京都民間一時滞在施設備蓄品購入費用補助事業」の募集を25日から開始すると発表した。2019年2月28日まで受け付ける。帰宅困難者向けの一時滞在施設が備蓄品を購入する際に費用の6分の5を補助する。今年度からこれまでの備蓄食品の更新分も対象になったほか、対象品目にハラール対応など特定の対象者への配慮食品も含まれるようになった。
交付対象となる施設は、都内区市町村と帰宅困難者受入協定を締結していること、従業員向けの3日分の備蓄品を完備していること、BCP(事業継続計画)か防災計画を策定していることが条件。
補助対象備蓄品は、まず都が指定する備蓄品である水9L、食料9食、簡易トイレ15個、毛布またはブランケット(1人当たり1枚または1個)。これらは1人当たり3日分の分量となる。この4品目が完備されていれば都の推奨備蓄品であるマット(シート、寝袋、付属品含む)、おむつ、生理用品、救急セットのほか、今年度から粉ミルク(ほ乳びん含む)とベビーフードの購入も補助対象となる
補助金額は1人当たり3日分の購入費用の6分の5。経費の上限は9000円のため、1人当たりの補助金上限額は7500円。今年度からの変更点として、前述の推奨備蓄品の粉ミルクとベビーフードの追加のほか、指定備蓄品の食料にハラール対応や高齢者向け食品など、特定層への配慮食品も含むようになった。
また補助制度が2013年度に始まっており、最初の備蓄食品が賞味期限となる時期を迎えている。このため、備蓄食品の更新分も補助対象に加えた。一時滞在施設がこれまで備蓄していた食品をフードバンクに寄付する、従業員に配布するといった、食品ロス対策実施が条件となる。
■ニュースリリースはこちら
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/05/24/20.html
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/17
-
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方