南海トラフ地震による津波想定は大阪の企業にとってインパクトの大きなリスク(イメージ:写真AC)

大都市が初めて巨大津波に襲われる

南海トラフ地震が迫るなか、関西の企業の方々から訓練支援のお声を掛けていただくことが増えてきました。かつて、西日本の企業の地震に対する危機管理は、東京や東海と比べると多少遅れていたことは否めませんが、それも阪神・淡路大震災を境に一変。さらに南海トラフ地震による津波想定は、特に大都市・大阪の企業にとってインパクト大のリスクとなっています。筆者も神戸出身者として気を揉む状況です。

基本的に南海トラフ地震は、3連動(東海、東南海、南海)あるいは4連動(東海、東南海、南海、日向灘)のどこで地震が発生しても、大阪は震度6弱程上の揺れと、地震発生個所によっては、つまり南海地震の発生時には5mの巨大津波に襲われる想定です。

東日本大震災において、仙台は空港に津波被害がありましたが、都心まで到達することはありませんでした。しかし高知沖の南海地震が発生した際、大阪は、大都市で初めて津波被害を受けることになります。もちろん神戸も津波を免れることはありません。

地震発生箇所によっては大都市・大阪が巨大津波に襲われる可能性も(イメージ:写真AC)

大都市が津波によって被る被害は、人、建物、インフラと、広範かつ高度に集積された社会サービスに直接及びます。被害の大きさは東日本大震災以上になる試算です。大阪都心部にオフィスを構える企業では、大阪府や内閣府が発表している被害想定に基づき、BCP策定やBCP訓練が行われていますが、ここで懸念材料となるのが、東京の首都直下地震のような単発地震(※複数箇所による連動地震の可能性もある)に対応したBCPをそのまま“大阪”に適用できるのかということです。

さらにいえば、南海トラフエリアでの連動型の広域被災は、東京では対岸の火事的な見方をする企業も少なくありません。最も近い東海地震が発生したとしても、東京は震度5強程度、すぐに企業活動を継続することが可能なレベルと踏んで、当該地域の支社、工場への対策を考えるのみであり、今までのBCPの枠を超える本社機能の代替など経営的な対策を打つわけではありません。