出典:story set

近年、世界は国境をこえてさまざまな情報が瞬時に広がる時代となりました。その一方で、異文化間のコミュニケーションの難しさや誤解が生じるケースも増加しています。この記事では、映画『バービー』と『オッペンハイマー』を中心とした最近の炎上事例を取り上げ、異文化理解の重要性とその教訓について深掘りします。

映画『バービー』と『オッペンハイマー』炎上の背景

7月21日、映画『バービー』と物理学者オッペンハイマーの生涯を描いた『オッペンハイマー』が全米で公開され、SNS上で「バーベンハイマー」という、両作品のタイトルを組み合わせた言葉がインターネット・ミームとして爆発的に流行しました。

「ミーム(meme)」とは、面白い画像や動画が拡散されていく文化のことを指すスラング的な表現です。

しかし、この流行の中には違和感を抱くような内容も。例えば、バービーの髪の形を原爆のキノコ雲の形にしたり、炎の中の主演俳優を特集したポスター風の画像など、8月6日の広島と8月9日の長崎への原爆を冗談めかして描いたものも見られました。
 

画像:(左)映画『バービー』と『オッペンハイマー』の合成ポスター(右)映画『バービー』のツイッター画面より

このような投稿に対して『バービー』のアメリカ公式X(Twitter)アカウントがハートマークの絵文字を含むリプライを送ったことが、多くのネットユーザーの批判を浴びることとなりました。特に日本からは「失望した」「冗談にすべきではない」との声が多くあがりました。

ワーナー・ブラザース・ジャパンはこの件について「映画『バービー』のアメリカ公式アカウントの不適切な反応は非常に残念であり、不快な思いをした方々に心から謝罪します」とコメント。さらにワーナー・ブラザース本社に対しても適切な対応を求めました。

その後、アメリカのワーナー・ブラザースも「無神経なSNSでの関与を心からお詫びします」と謝罪声明を発表。この騒動は大きくなり、8月1日にはアメリカの大手新聞2紙も取り上げ、ワシントンポストでは「ワーナー・ブラザースがミームに参加したことは、日本では笑いごとではない」と報じました。

世間の声

日本の映画ファンからは、ワーナー・ブラザースの行動に対する不満が高まり、#NoBarbenheimerのハッシュタグで、多くの人たちがワーナー・ブラザースの行動を厳しく批判しました。中には、「バービー」の日本での公開を中止すべきだとの意見も出てきました。

一部、「原爆の犠牲者の大半は無関係な民間人です。このような行動は単に不適切というだけではなく、悪意が感じられます。私たち日本国民として、『バービー』の日本での公開中止を求めています」というハッシュタグ付きの投稿が見られました。

他の投稿では「もう『バービー』は見たくありません。映画を観るとしても、そのような行動により、原爆のことが頭から離れず、映画を楽しむことができないと感じます」という声も上がりました。

一方、あるユーザーは、9.11のツインタワー攻撃を引き合いに出して、バービーとオッペンハイマーに関するファンアートを批判しました。このユーザーは、ツインタワーの画像とともに「このバービーはその瞬間です」とコメントし、「ワーナー・ブラザースがやっていることは、9.11と同じような感じがします」との意見を投稿しました。