2024/01/14
防災・危機管理ニュース

シンクタンクによる2024年のリスク予測が相次いで発表されている。スイスのジュネーブに本部を置く世界経済フォーラムは1月10日、2024年版のグローバルリスク報告書を発表。国際情勢を専門とする米国の調査会社ユーラシア・グループも2024年「世界の10大リスク」をほぼ同時にリリースした。昨年末には、PwCと、リスク・セキュリティコンサルティングサービスを提供するコントロール・リスクスがそれぞれ2024年のリスク報告書やリスクの危険度を示したマップを公開している。さらに、株式会社PHP研究所の政策シンクタンクであるPHP総研が、2024年に日本が注視すべきグローバルリスクを発表している。
■世界経済フォーラム:グローバルリスク報告書
短期リスクのトップは誤報と偽情報
世界経済フォーラムが発表したグローバルリスク報告書では、今後2年間の短期的なリスクは「誤報と偽情報」が最大のリスクとした一方、今後10年間の長期間では「異常気象」が最大の懸念とした。報告書は、今後2年間に米国をはじめ主要国で選挙が相次ぐ中、「改ざんされた情報と社会不安の結び付きがリスクの中心になる」と指摘。今後10年間では、異常気象や生物多様性の喪失、汚染などの環境リスクが「最大の長期的懸念だ」と警告した。その上で、地球規模の喫緊の課題への協調がますます不足する可能性があり、リスクに対処するための新たなアプローチが必要になると指摘。グローバルリスク・コンソーシアムの1400名を超えるメンバーの3分の2が、今後10年の間に多極化または分断化した秩序が形成され、中堅国や大国が新たなルールや規範を争い、設定し、また強制するであろうと予測しているとした。
なお、短期的なリスクの2位には異常気象、3位は社会の二極化、4位がサイバー犯罪の拡大とサイバーセキュリティ対策の低下、5位には国家間武力紛争が入った。長期的なリスクの2位には地球システムの危機的変化(気候の転換点)、3位に生物多様性の喪失と生態系の崩壊、4位に天然資源不足、5位に誤報と偽情報が入った。

- keyword
- グローバルリスク報告書
- 世界経済フォーラム
- リスク予測
- ユーラシア
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
ランサムウェアの脅威、地域新聞を直撃
地域新聞「長野日報」を発行する長野日報社(長野県諏訪市、村上智仙代表取締役社長)は、2023年12月にランサムウェアに感染した。ウイルスは紙面作成システム用のサーバーとそのネットワークに含まれるパソコンに拡大。当初より「金銭的な取引」には応じず、全面的な復旧まで2カ月を要した。ページを半減するなど特別体制でなんとか新聞の発行は維持できたが、被害額は数千万に上った。
2025/07/10
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/08
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/07/05
-
-
-
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方