2024/04/20
防災・危機管理ニュース
気象庁は、津波警報が長時間続いた場合の記者会見や報道発表での情報提供のあり方を見直す。19日に「長時間継続する津波に関する情報提供のあり方検討会」が報告書をまとめ、明らかにした。
同庁ではこれまで、地震発生直後の津波からの避難等の初動対応に資することに重点を置いて、津波情報の改善や普及啓発を行ってきた。一方、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震をはじめとする大規模地震に起因する津波は、減衰までの時間が長時間となるため、その間の警報や防災対応も長く続くことが想定される。そのため、避難の継続や人命救助活動等の防災対応に資する観点から、津波の推移に応じた効果的な情報提供のあり方や、普及啓発で取り上げるべき内容について検討をしてきた。
新たな情報発信では、津波警報等に加えて、津波の今後の見通しや実況についての情報提供を充実する。例えば、「1983年日本海中部地震や93年北海道南西沖地震などの観測記録から少なくとも半日から1日程度は津波の高い状態が継続する」と呼びかける。住民避難の観点では、「既に避難をしている人は避難の継続を!」など、避難した人々が危険な地域に戻らないような内容・方法で情報提供も行う。このほか、人命救助活動等の防災対応を行う防災機関に対しては、人員配置や活動内容、被災リスクの高い地域での活動の判断を行う材料として、気象庁から発表する情報を丁寧に解説することが重要としている。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
「防災といえば応用地質」。リスクを可視化し災害に強い社会に貢献
地盤調査最大手の応用地質は、創業以来のミッションに位置付けてきた自然災害の軽減に向けてビジネス領域を拡大。保有するデータと専門知見にデジタル技術を組み合わせ、災害リスクを可視化して防災・BCPのあらゆる領域・フェーズをサポートします。天野洋文社長に今後の事業戦略を聞きました。
2025/10/20
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/14
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方