関東大震災で起こった火災旋風の様子を描いた、「本所石原方面大旋風之真景,帝都大震災画報」(出典:Wikipedia)

ご先祖様の大変な被災経験

9月1日「防災の日」は1923年に関東大震災が起こった日です。

FM西東京の防災番組でパーソナリティもしている私は、9月の番組収録で関東大震災の話をしたのですが、驚いたことに、番組担当の近藤菜穂子(なおこ)ディレクターの御曽祖父が、火災旋風で3万8000人もの被害が出た旧陸軍被服廠跡の数少ない生存者だったのです。

近藤菜穂子ディレクター

FM西東京の番組についてはこちらで聴いたり、データで読む事ができます
http://842fm.west-tokyo.co.jp/fm842/podcast/bosaishikidayori/

今回はその話を中心に、地震と火事について考えてみます。

関東大震災の発生時刻は午前11時58分とちょうどお昼時でした。当時の調理器具の中心は七輪とかまど。倒壊した家屋や倒れた家具などの木材がそれらに触れ、容易に火事が各地で起こりました。その火事を延焼させたのが、当時、日本海沖を通過していた台風です。でもこの台風は日本に上陸していないのです。上陸していなくても台風は、被害をもたらすことがあります。日本海沖を抜ける時、関東平野では、暴風が吹きつけます。最初南風が風速10〜15メートルで吹き、そして台風の進路に伴って風が北風になり風速22メートルになったため、各地で火災が延焼し被害を拡大させたのが関東大震災でした。