内部通報制度を導入している事業者のうち、受付件数が年5件以下となるなど十分に活用されていない企業が6割以上にのぼることが消費者庁の調査で分かった。

消費者庁が調査した民間事業者の内部通報対応実態調査によると、内部通報制度を「導入している」と回答した事業者(2,448者)のうち、窓口の年間受付件数が「0件」、「1~5件」又は「把握していない」と回答した事業者は全体の65%にのぼった。平成28年度調査では、この割合は全体(1,592者)の77%であり、12%ポイント改善したが、依然として窓口の活用は限定的としている。

一方、内部通報制度の導入状況については、従業員数300人超の事業者(1,905者)の92%が制度を「導入している」と回答しており、平成28年度調査時(82%)と比べて、10%ポイント増加した。また、300人以下の事業者(1,488者)についても47%が「導入している」と回答しており、前回調査時(26%)から21%ポイント増加している。

活用が進まない背景にあるのが、社内などへの周知不足だ。内部通報制度を「導入している」と回答した事業者(2,448者)のうち、従業員への周知方法として、「研修を実施している」(入社時の研修等を含む)との回答割合は、全体の57%にとどまる。「トップメッセージの発出」と「研修」の両方を実施している事業者(506者)の割合は、全体の21%で、どちらか一方の取組みしかしていない、又はどちらも実施していない事業者と比べ、窓口の件数が多い傾向にあることがわかった。