5月10日 復興が進んでいるとは言いがたい輪島市の状況。チーム藤沢 中忠政さん撮影

能登半島地震から5月近くが経つ。七尾市や志賀町では、比較的に復興や生活再建が進んでいるが、輪島市や珠洲市など奥能登地方は未だに復興が進んでいるとは言いがたい状況が続いている。

発災当初から現地入りし、今も継続して支援を行っているのが、神奈川県藤沢市を拠点に活動する災害復興支援団体「チーム藤沢」だ。有志市民団体であるチーム藤沢は主にFacebookを中心に活動しており、現在メンバーは1,500人を超える。物資支援や募金、現地での災害ボランティアなど、活動は多岐にわたる。

そんなチーム藤沢の中心となっているのが、下田亮さん(53歳)。元海上自衛官である下田さんは現在、藤沢市でパソコンの修理や復旧サービスのほか、ドローンを利用した土地建造物の調査・研究開発などにも携わっている。1月5日に石川県七尾市に入り、物資支援等を行い、その後も継続して現地にて支援活動を行っている。現地の被災状況や今後求められる支援について聞いた。

 

現在の被災地の状況
復興の状況は、地域によってかなり差がある

復興が進んでいる地域も増えてきましたが、穴水町から北は復興が進んでいるとは言いがたい状況です。今回の地震で特に被害が大きかった輪島市や珠洲市は、まだまだ人が住める状態ではない場所も少なくありません。

5月10日 復興が進んでいるとは言いがたい輪島市の状況。チーム藤沢 中忠政さん撮影

水道については、(かなり広範囲で甚大な被害が出ていると報じられていましたが)、志賀町や輪島市もようやく復旧してきています。ただ、一部の地域では下水がまだ復旧していません。水道が復旧していても、下水がつかえなければ排水できない。トイレも使えないので、『水は出るけど住めない』という状況が続いています。

多くの方が二次避難のために街を後にしていますが、二次避難後の戻り先がないという課題も残っています。