2024/08/08
防災・危機管理ニュース
7日の日経平均株価は、前日比900円を超えて下落した後、日銀幹部の発言をきっかけに1100円以上、急上昇する荒い値動きとなった。5日に史上最大の下落幅、6日には史上最大の上昇幅を記録しており、歴史的な乱高下が続く。急激な変動の背景には(1)「人工知能(AI)ブーム」の反動(2)レバレッジ(てこ)型と呼ばれる金融商品の取引拡大(3)個人の信用取引―の3要因による値動きの増幅があると市場関係者は指摘している。
昨年秋以降、株価の上昇をけん引してきたAI関連株の高騰には「行き過ぎだった」(銀行系証券)との見方が多い。AI利用で半導体需要は伸びるものの、「半導体は市況の波が大きく、常に利益が出るわけではない」(同)のも事実だ。過剰な期待の剥落が急落を招き、「投資家は株価の居所を見失った状態」(大手証券)となった。
最近は、日経平均など株価指数の値動きの数倍変動する「レバレッジ型の上場投資信託(ETF)の売買も変動の一因になっている」(中堅証券)という。同ETFは個人投資家らの人気を集め、売買代金ランキング上位の常連になっている。このETFの運用には先物取引が使われており、取引が活発になると、先物の売買も増えて相場の動きが増幅される。
個人による信用取引の増加も株価の下げ方をきつくした。お金を借りて株を買う「信用買い」の残高は、7月26日時点で約5兆円と、2006年以来の高水準に積み上がっていた。「予想外に急速な株安で担保不足に陥った個人が手じまい売りを迫られた」(同)ことで、株価の下落ペースが加速したとみられる。
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/10/01
-
-
-
ERMにおける実行性の強化
企業は、リスクに対する組織の適切な行動を管理するためにオペレーショナルリスクとコンダクトリスクといったリスクカテゴリーを設定し管理を実施していることが多い。オペレーショナルリスク管理は、過去の操業上の失敗事例を分析して同種の事例の再発を予防するための管理である。換言すれば、過去・現在の状況を踏まえ、それを将来に延長して対応するフォワードルッキングなアプローチの一種といえる。他方、コンダクトリスク管理は、将来の環境が必ずしも過去と同様ではないことも踏まえ、組織行動の特徴を理解した上で、組織行動を律する根底の部分(組織文化と表現することもある)を意識して、不測の事態を招かないための制御を行う活動といえる。
2024/09/25
-
-
海外工場の労働環境を把握 課題を明らかに
「ミキハウス」のブランドでベビー服や子供服、靴、玩具などの販売を世界中に展開する三起商行が、委託先のミャンマー工場の人権侵害を指摘されたのは2016年11月だった。同社は第三者機関を設立して調査。結果をもとに工場に改善を依頼し、実行された。その後、各種方針や規範を策定し、2019年には人権デュー・デリジェンスの取り組みを開始。責任あるサプライチェーンの構築に力を注いでいる。
2024/09/25
-
Q&Aで解説 実務課題の超ヒント
「危機時の広報はどう連携する?」「DXで危機管理担当者の不足は解消する?」など、企業の危機管理担当者はさまざまな疑問を抱えながら業務にあたっています。本紙はこの半年間で聞いた読者の声を「Q(Question)」として集約、危機管理に詳しいコンサルタントに提示して「A(Answer)」をもらいました。実務課題の超ヒント、リスク管理・危機管理編の後編です。
2024/09/24
-
リスク評価はサプライヤーの協力が不可欠
人権を尊重したサプライチェーンの構築が求められている。先行して法整備を進めてきた欧州を中心に、各国で規制強化が進む。日本政府も2022年にガイドラインを策定し、取り組み支援に動き出した。人権デューデリジェンスに取り組むために、何が必要か。グローバルなプラットフォームでサプライヤーの労働環境を含めたESG関連の情報収集と分析、提供などを行うSedex。同社のインプルーブメントエグゼクティブである山本梓氏とリレーションシップマネージャーの日野陽介氏に聞いた。
2024/09/24
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方