2024/09/10
防災・危機管理ニュース
JR貨物は10日、貨車などの車輪を交換する作業で、上限を超える圧力をかけていたと発表した。車軸の強度が弱まる可能性があるが、データを差し替えて検査記録表を作成していたケースもあったという。上限を超えた貨車560両と機関車4両の運用を停止しており、国土交通省は11日から同社に特別保安監査を実施。不正があった3車両所を立ち入り検査する。
立ち入り検査の対象は、輪西(北海道室蘭市)、川崎(川崎市)、広島(広島市)各車両所。不正は約10年前から行われ、車軸に車輪を押し込む際、最大で1割程度、上限を超える圧力をかけていた。関与した社員は「作業のやり直しにかかる費用を懸念した」と話したという。
7月にJR山陽線新山口駅で発生した貨物列車の脱線事故を受けた社内調査で発覚。脱線した車両でもデータが差し替えられていたが、脱線との因果関係については「運輸安全委員会が調査中のため、コメントできない」としている。
国交省は「鉄道輸送の安全確保を根底から覆す行為」とし、全ての車両を緊急点検するよう指示。立ち入り検査で安全管理体制を確認し、行政処分の可否を検討する。
〔写真説明〕コンテナに書かれたJR貨物のロゴマーク
(ニュース提供元:時事通信社)

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