2024/09/24
防災・危機管理ニュース
石川県・能登半島北部を襲った記録的大雨で、消防や警察などは24日も行方不明者らの捜索を続けた。気象庁が大雨特別警報を出してから、同日午前で生存率が急激に下がるとされる「72時間」が経過。新たに1人の死亡が確認され、死者は8人となった。360人以上が孤立集落に取り残されていることも判明し、県は土砂崩れによる通行止めなどの復旧に全力を挙げる。
県によると、大雨による死者は輪島市6人、珠洲市1人の計7人。行方不明者は2人、連絡が取れない安否不明者は5人に上る。
消防などによると同日夜、珠洲市大谷町の捜索現場で1人が救出されたが死亡が確認された。警察は、同町で安否不明となっている女性(79)とみて身元確認を進める。
輪島市を流れる塚田川の氾濫で、同市久手川町では複数の住宅が流され、女子中学生(14)を含む3人と連絡が取れていない。消防や警察、自衛隊が約520人態勢で懸命の捜索を続けたが、安否確認には至らなかった。
24日午後4時時点で、孤立集落は輪島市など46カ所に上り、少なくとも367人が取り残されている。避難者は621人、停電は約2900戸、断水は約5200戸に及んでいる。
県によると、約40人の災害ボランティアが輪島市に入り、床上浸水した仮設住宅で災害廃棄物の運び出しや土砂の除去作業などを行った。
輪島市教育委員会によると、市内の学校で浸水や断水が確認され、全ての市立小中学校(小学校9校、中学校3校)が25日まで臨時休校となった。
〔写真説明〕複数の住民が安否不明になった塚田川流域で捜索に当たる警察関係者=24日午後、石川県輪島市
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方