2024/10/19
防災・危機管理ニュース
首都圏を中心に8月以降、高齢者が暮らす戸建て住宅などを狙った強盗事件が相次いでいる。複数人が窓ガラスを割って侵入し、住人を緊縛する手口が目立つ。こうした犯罪から身を守るにはどうすればいいのか。専門家は、防犯グッズの活用や個人情報の管理が大切だと指摘する。
一般社団法人日本防犯学校の梅本正行学長は、自宅を標的にされないようにする対策の重要性を強調する。周辺で不審な車や人を見掛けたら警察に積極的に相談するなどし、「『犯罪に目を光らせている』と(強盗集団に)思わせないといけない」と語る。
自宅敷地に不審者が侵入した場合、すぐに把握できる環境も大切だ。梅本学長は「植栽を伐採して見通しを良くすることは効果的だ」と指摘。防犯カメラや、来訪者に反応して点灯するライトを強盗の目に入るような位置に複数設置することも対策になるという。
窓のサッシに取り付けて侵入時に開けにくくする補助錠や、窓ガラスを割れにくくする防犯フィルムの活用を推奨し、「命を守るための対策をするべきだ」と訴える。
立正大の小宮信夫教授(犯罪学)はアンケートなどで個人情報を明かしたり、自宅や所有する車の画像をSNSに投稿したりすると、知らぬ間に資産状況を把握されてしまう可能性があると指摘する。
「防犯カメラなどのハード面の対策は最後の手段だ」と話し、まずは個人情報を安易に知られないように気を付けるべきだと警鐘を鳴らす。
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 強盗対策
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/24
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
-
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方