2024/10/19
防災・危機管理ニュース
首相官邸前の進入防止用の柵に車が突入した事件で、逮捕された職業不詳、臼田敦伸容疑者(49)が以前、反原発などを訴える活動をしていたことが19日、関係者への取材で分かった。
警視庁は同日夜、臼田容疑者宅を家宅捜索。同容疑者は突入直前、自民党本部前で火炎瓶のようなものを複数本、投げており、同党の政策に不満を持っていた可能性もあるとみて調べている。
取材に応じた臼田容疑者の父親(79)や知人によると、同容疑者は2011年の東日本大震災を機に、福井県の関西電力大飯原発前で再稼働反対運動をするなど反原発活動に取り組むようになった。
知人は「何かあれば現場に行くタイプだった。デモに参加するのはもちろん、東京電力福島第1原発の作業員になって現場を見に行くなど行動力があった」と振り返る。
ただ、近年はこのような活動は控えていたという。臼田容疑者は埼玉県川口市で父親と2人暮らし。長距離トラックの運転手をしたり、ウェブデザイナーとしてホームページの作成を請け負ったりしていた。法律にも興味を持ち、行政書士の資格も取得していたという。
父親は事件を受け、「(反原発などの)考え方は理解できるが、デモなど合法的な手段を取るべきだった」と声を落とした。
一連の事件は19日午前6時前に発生。臼田容疑者は自民党本部前に軽自動車で乗り付け、火炎瓶のようなものを複数本、本部正面入り口付近に投げ込んだ。その後、首相官邸前の車両進入阻止用の柵に車で突っ込み、警察官などに発煙筒のようなものを投げたとして公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。調べに黙秘しているという。
〔写真説明〕首相官邸前で車を突入させたとして、公務執行妨害容疑で逮捕された臼田敦伸容疑者の自宅(左)に家宅捜索に入る警視庁の捜査員=19日夜、埼玉県川口市
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/17
-
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方