2024/11/21
防災・危機管理ニュース
JR九州は21日、子会社のJR九州高速船(福岡市)が浸水を隠しながら運航を続けていた問題で、外部の弁護士らによる第三者委員会から受け取った報告書を公表した。報告書は子会社の社長ら幹部について、船舶運航の安全性に関する基本的な知識・経験や、利用客・社会への視点が欠如していたと指摘。「最大の責任がある」と断じた。
一方で、JR九州についても、子会社が2023年にも浸水隠蔽(いんぺい)で行政処分を受けていたにもかかわらず、「再発防止を念頭に置いた積極的な関与は見当たらなかった」として子会社の監督が不十分だったとの認識を示した。
JR九州高速船は、24年2月から約3カ月半にわたり、博多港と韓国・釜山港を結ぶ高速船「クイーンビートル」を、浸水を隠しながら運航を続けた。報告書は原因について、再三の運航停止で、営業部門に顧客対応などでさらなる負担を強いることを回避したいという営業上や社内の事情を優先したと分析。また、5月下旬の浸水量急増後、浸水を知らせるセンサーを上部にずらしたのは、公式記録として残ることで関係当局に報告する事態になるのを避けるためとした。
一連の行為は、船舶安全法などに抵触する可能性が高いとも指摘した。
(ニュース提供元:時事通信社)
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