2024/11/28
防災・危機管理ニュース
プラスチックにはさまざまな化学物質が含まれている。劣化により細かく砕かれたプラが体内に取り込まれると健康への影響があるとの指摘もあり、有害な化学物質が含まれる場合は、さらに懸念が高まる。極めて微細なプラが血中から検出されたとの研究結果がすでに示されており、製品に含まれる有害な化学物質への対策を求める声も出ている。
プラ製品は紫外線や摩擦によって劣化が進む。5ミリメートル未満のものが「マイクロプラ」とされ、その中でも1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)に満たないと「ナノプラ」と呼ばれることがある。東京農工大の高田秀重教授らの研究では、国内で採取されたヒトの血液から、ナノプラのほか、プラの強度を高める紫外線吸収剤などが検出された。
高田氏は「われわれは、プラ製品に含まれる複数の添加剤に低濃度で暴露している状態。その影響評価が今後の課題だ」と話す。
国連環境計画(UNEP)の報告書によると、プラに関連する3200以上の物質に有害性の懸念があるという。女性や子どもは特に影響を受けやすいと指摘。次世代に影響を及ぼす可能性を挙げた。
プラ汚染の規制に向けた条約交渉では、有害性が懸念される特定の化学物質などをリスト化し、規制するかどうかが焦点の一つ。高田氏は「予防的に規制するとともにプラ全体の使用量を減らし、化学物質からの暴露を減らすことが必要だ」と訴える。
〔写真説明〕インドネシア・アチェ州の海岸で、水中に含まれるマイクロプラスチックの量を調べるボランティア=2022年6月(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- プラスチック
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/19
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方