2024/12/07
防災・危機管理ニュース
【ソウル時事】韓国国会は7日午後、国会本会議を開き、「非常戒厳」を宣言した尹錫悦大統領の弾劾訴追案を採決した。与党「国民の力」の議員は、採決を前にほぼ全員が議場から退出。同案は投票が規定数に達しなかったため成立せず、廃案となった。ただ、ひとまず政権が延命したとしても、国民や野党側の反発拡大は必至で、混乱は長期化しそうだ。
革新系最大野党「共に民主党」の李在明代表は不成立を受け、「内乱行為の責任を問い、韓国最悪のリスクである尹氏を必ず弾劾する」と強調。同党は早ければ11日にも改めて弾劾訴追案を提出する方針を示した。
国民の力の韓東勲代表は、尹氏の「秩序ある退陣を進める」と述べ、尹氏は退陣まで「職務から排除される」と表明。韓悳洙首相と党が今後の国政運営を担うと説明した。
与党は投票を前に1人を除き全員が議場から退場した。禹元植国会議長が「戻って投票してほしい」と呼び掛けたが、2人が議場に戻っただけだった。
弾劾案の可決には在籍議員(定数300)の3分の2以上の賛成票が必要。共に民主党など野党6党や無所属の計192人に加え、与党から8人の造反が出るかが焦点となった。ただ、最終的には投票数が200に達せず、定数未達で自動的に廃案となった。
尹氏は7日午前、国民向け談話を発表し、3日に非常戒厳を宣言したことについて「国民に不安を与え申し訳ない」と謝罪。進退については「与党に一任する」と述べるにとどめた。
〔写真説明〕7日、韓国・ソウルで開かれた国会本会議で、尹錫悦大統領の弾劾訴追案採決に臨む議員ら(EPA時事)
〔写真説明〕7日、韓国・ソウルの国会で大統領弾劾訴追案の投票を行う議員(AFP時事)
〔写真説明〕韓国の尹錫悦大統領(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)



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