2024/12/15
防災・危機管理ニュース
本格的な冬が到来し、感染症の流行期を迎えている。インフルエンザは全国的な流行シーズンに入り、新型コロナウイルスの新規感染者数も増加傾向だ。呼吸器感染症のマイコプラズマ肺炎などの患者数も多く、識者はマスク着用や手洗いなど基本的な感染対策の徹底を呼び掛けている。
厚生労働省は11月上旬、インフルエンザが全国で流行期に入ったと発表した。12月8日までの1週間に全国の定点医療機関から報告された感染者数は1機関当たり9.03人で、7週連続で増加。都道府県別では福岡(20.30人)が最多で、大分(13.41人)が続く。
新型コロナは冬に感染者が増える傾向があり、昨シーズンはインフルも同時流行した。厚労省によると、新型コロナの患者数は1機関当たり3.07人で、2週連続で増加。同省の人口動態統計では、2023年にコロナで死亡した人は3万8086人に上り、引き続き警戒が必要だ。
人との接触や飛沫(ひまつ)で感染する、マイコプラズマ肺炎も猛威を振るう。コロナ禍に見舞われた20~23年は、マスクの着用や手指消毒などの感染対策で患者数が激減。一方、国立感染症研究所によると、今年は6月ごろから定点当たりの患者数が増え始め、9月以降は過去最多を更新する状態が続いた。
頬に赤い発疹が出ることから「リンゴ病」と呼ばれる伝染性紅斑も、関東を中心に流行。軽症で済むことが多いが、妊婦が感染すると流産につながる可能性もある。日本産婦人科感染症学会によると、日本人妊婦の抗体保有率は20~50%。過去に感染したことがない人は、6%が流産や死産になるとしている。
東京医科大病院の浜田篤郎客員教授(渡航医学)は、「新型コロナは入院患者数が増えており、流行期に入っている。伝染性紅斑は、手洗いやマスク着用が重要だ。年末年始は人と人の接触機会が多くなるが、基本的な感染対策を取り、体調が悪い人は無理せず行事を休んでほしい」と話している。
〔写真説明〕厚生労働省
(ニュース提供元:時事通信社)

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