2014/11/04
防災・危機管理ニュース
インターナショナルSOS米国支社調査結果
インターナショナルSOS米国支社はエボラ出血熱の流行を受け、エボラ対策を実施している企業約300社に対して調査を行った。
企業がエボラ対策として実施した具体策は、「エボラ出血熱の感染予防についての情報を社員に伝達」が1位で30%、2位が「危機管理計画会議または同様の社内会議を開催」で22%、以下、「海外への渡航制限を導入」(18%)、感染地域にいる従業員の特定と追跡 (16%)と続いた。
エボラ対策の最大の課題は何かとの質問には、「常に最新情報を把握すること 」(35%) 「社員の渡航計画の管理」(18%)が上げられた。
この結果を受けて、同社のメディカルアシスタンス部門のシニア・バイスプレジデントであるロバート・キグリー医師は「この調査結果は、会員企業に最近見受けられる傾向を端的に示していると言える。今回のようにアウトブレイクが発生し、国境を越えて注意喚起が必要な際には、風評と信憑性のある情報を的確に分析することが企業には必要」と話す。
また、同社のメディカル・ディレクターである安藤裕一医師は「現在はエボラ出血熱への関心が高まっていますが、次に起こりうるリスクに備える必要がある。事前に実践的な事業継続計画(あるいは危機管理対策)を立てておくことで、適切な対応を取りやすくなる」とアドバイスしている。
同社は、エボラ出血熱特設サイト(英語)を開設し、生活者に最新情報や重要情報を提供している。
エボラ出血熱特設サイト
https://www.internationalsos.com/ebola/
- keyword
- 海外リスク
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
津波による壊滅的被害から10年
宮城県名取市で、津波により工場が壊滅的な被害に遭いながらも、被災1週間後から事業を再開させた廃油リサイクル業者のオイルプラントナトリを訪ねた。同社は、東日本大震災の直前2011年1月にBCPを策定した。津波被害は想定していなかったものの、工場にいた武田洋一社長と星野豊常務の適切な指示により全員が即座に避難し、一人も犠牲者を出さなかった。震災から約1週間後には自社の復旧作業に取り掛かり、あらかじめ決めていたBCPに基づき優先業務を復旧させた。現在のBCPへの取り組みを星野常務に聞いた。
2021/01/21
-
台湾をめぐる米中の紛争リスクが高まる
米国のシンクタンクCouncil on Foreign Relations(CFR)は、2021年に世界中で潜在的な紛争が起こる可能性を予測する最新の報告書を公表した。報告書は、台湾問題における米国と中国の深刻な危機を、世界の潜在的な紛争の最高レベルとして初めて特定した。
2021/01/20
-
これからの国土づくり 「構想力」と「創意工夫」で
政府の復興構想会議のメンバーとして東北の被災地を訪ね、地域の再生や強靭な国土づくりに多くの提言を行った東京大学名誉教授の御厨貴氏は当時、これからの日本の行方を「戦後が終わり、災後が始まる」と表現しました。あれから10年、社会はどう変わったのか。いつか再び起こる巨大地震をめぐり、政治・行政システムや技術環境、市民の生活や仕事はどう進歩したのか。これまでを振り返ってもらいながら、現在の課題、今後の展望を語ってもらいました。
2021/01/14